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2009-03-24 (Tue)
   

 何者にもなれない無力感をもてあます大学生の笙は、ある日父親から叔母松子の亡き後の部屋の片付けを押し付けられる。
 笙がそれまで叔母がいる事を知らなかったのは、それは松子が人生を踏み外し散々家族の者に迷惑を掛けてあげく結局何者かにむごたらしく殺されてしまった為に秘されていたからだ。
 最初は好奇心からGFと松子の人生を追っていくうちに、その過程で様々な事を見て思い、笙は少しずつ成長して行く。

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 この作品は映画化されていたのを知っており(見てないけど)、これが原作本だと知り興味があったのと題にインパクトがあって読んだ。

 上下二段の分厚い本だけど内容を集約すると、
 「一人の女性がこれでもかこれでもかと落ちまくる」
 作品である。
 すがすがしい程シンプルに要約出来るけど、それが読みやすい面白さにつながっていると思う。

 松子は教師なので当然勉強は出来、器量良しなので生徒にも人気があり、手先も器用である。嫌われるどころか好かれる要素をたくさん持っている。
 美点と欠点の数を秤にかければ間違いなく美点の方に思いっきり秤は傾く。
 ただ世の中には美点の方が多く欠点の方が少ないけど、その数少ない欠点が致命的な弱点になるという人はいる。
 松子もその典型で彼女の欠点は物事を煮詰めて考えない。とにかく衝動的である。
 煮詰めすぎて病気になるのはダメだけど、もう少し深く物事を考えて行動すれば気持ち良い位に転落しなくても済んだのになあ~と思う。

 自分が乗っている列車が「不幸」という行き先に向かっているのであれば、その方向を変えるか、行き先が定まらないのなら一旦止めるかすれば良いと思うのにそのまま突っ走ってしまう事がある。
 一旦暴走した列車は自分でも止められないのかもしれない。多分そもそも方向転換や止める事が出来るのなら最初から転落はしないのかもしれない。
 それを弱さというのか性というのか運命というのかはわからない。
 読んでいて落ちまくる松子に切なさを感じた。
 どういう状況でも、方向は間違っていても、一生懸命に生きる松子にイトオシサを感じた。

 この作品は読む前から「女性の転落人生記」というのは知っていたので、暗くドロドロしたイメージを持っていたのだけどそんな事はなく、
 「しゃ~ないなあ、松子さん」という感じでカラッと読める。
 それは作者がそのようなトーンで描いているのと、甥にあたる笙を視点にしているせいもあると思う。
 この作品は松子の転落人生記であると同時に、笙が松子の人生を辿りながら自分の人生を見つめて行き成長していく物語てもある。
 全然ベクトルの違う軸が物語を織り成しているのでモチーフの割りに暗過ぎなくしている感じがした。
 
 ちなみに映画見てないけど、松子の役が中谷美紀さんというのはGJだと思った。

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| 山田宗樹 | COM(0) | TB(0) |















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