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2009-03-21 (Sat)
 

『天才刑事』とやっかみと賞賛を受ける麻生は、大暴力団の幹部が何者かによって殺された事件を担当する。
 その事件の最中に、彼が10年前に婦女暴行未遂で逮捕した青年山内と再会する。当時は泣き虫なインテリ青年だったが、再会した彼は悪魔のようにズル賢い、男娼上がりの美しいやくざへと変貌を遂げていた。
 一体、何があったのか?
 やがて麻生は事件捜査の過程で、山内の転落のきっかけとなったあの事件が冤罪である可能性を知る。

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 これは間違いなく柴田よしきさんの最高傑作だと思う。
 出会う事なく大往生する事にならなくて良かった。出会えて幸運だったと思えた本。
 
 この作品を読むまで実の所、柴田さんから少し遠ざかっていた。その当時は私と柴田さんの作品の巡り合いが悪かったせいか、あまり自分の中に残る作品がなかった(今は相性バッチシなんですが)。
 だから最初も「ふんふん」といった具合に読み進めていたが、だんだん「おおお」と物語の世界に吸い込まれるように夢中になっていった。

 たくさんの登場人物が出てくるがどの人物も魅力とそれぞれの物語を持っており読み応え十分。
 加えてストーリーの運びが上手で過去と現在を行ったり来たりしながら、幾重にも張り巡らせた人間模様が、様々な複雑で魅力的な模様を見せる。それが巧みだ。

  読んでいて何よりも心を揺さぶられたのは、何の罪もない、何の責任もない事で、地獄の底を這いずり回らなければならなかった人間の深い孤独と絶望が柴田さんの見事な筆力によって胸に迫り切なかった。
 本当に切なかった。

 「人が人を裁く」事の難しさとその矛盾  

 本来人を裁く事が出来るのは神様だけなんだろうけど、勿論そうは言ってられないので人が裁くシステムが存在しているけど、人間だから絶対に間違いを犯さないという事はそれも絶対無理なわけで。でもそのシステムは必要なんだよなあ。どうしても。
 私は今まで「疑わしきは罰せず」というのには反対だった。「え~、それじゃ確実な証拠なければ罪に問われないのはズルくないかあ」と思っていた。
 でもこの作品を読んで、罪ある者が裁かれないのも怖いけど、もっと怖いのは罪なき者が裁きを受ける方がずっとずっと怖いのだと知った。
 
 この作品は基本はミステリーだけど、ミステリーとしてだけでなく「恋愛小説」としても楽しめて、一粒で何度も美味しい作品である。
 BLな所があるのでそういう類が全くダメな人は難しいとは思うが、「人が人を思う気持ち」というものがとても愛おしく思った。全てを抱え込んで愛し合う事を選んだ2人がとても愛おしく思えた。

 読後、暫くはこの物語の世界から抜けれんかった位衝撃の一冊だった。

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| 柴田よしき | COM(0) | TB(0) |















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