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2010-11-27 (Sat)


「私」は重度のアルコール依存症。
 妻子は居たが「アル中」の為に家族へ迷惑をかけ続け妻に三行半を突きつけられた。
 「次飲んだら死にますよ」と言われても飲み続け大量の血を吐いては病院に運ばれる。やっとこさ「アルコール専門病院」に入院し、そこでの日々が赤裸々に綴られている。

  鴨志田穣氏の自伝的私小説。


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 私は下戸である。でも父親が大のんべえなので血筋的にはイケル口だと思っている。
  真夏の風呂上りにキンキンに冷えたビールをぐいっと飲んで「美味い!!!」と叫んでみたいし、人生のうさを酒で晴らす一時が欲しいなあと思うし、ほろ酔い加減というのを体験してみたい。
 酒が飲めるというのは飲めない人間よりは人生何%かは得しているはずだ。人生におけるグリコのおまけみたいで。
 じゃあ何故飲まないのかと言われたら、多分「飲まず下戸」なんだと思う。のんべえになる縁が今の所なかったという事か。 

 ただ鴨志田さんの「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」を読んだ時、酒が飲めるのも楽しいばかりではないんだなあと思った。「酒が飲める」というのは逃げ道を持つ事にもなるのだから。
 鴨志田さんはあのサイバラこと西原理恵子さんのご主人として有名で数年前にガンで亡くなられている。
 彼が淡々々々々々々とご自身の「アル中体験」を綴られているが、これは鴨志田さんの性格というよりもある種の自己防衛本能なのかなと思う。
 吐露し過ぎて自分を曝け出し過ぎないようにセーブしているように感じた。

 鴨志田さんはいわゆる破滅型なんだろう。本来とても繊細でご本人自身酒を飲んでしまう理由を問われて「自信」がないからと答えてらっしゃるが、崖に向っていく生き方は弱さというか強くないための性なのかなあ。
 だから正直何故戦場カメラマンになったのなとは思うが。彼はそこでの現実に耐えられずにご自身を更に追い込んでいる。なんだか不器用で切ないし哀しい。
 そういう彼を愛する人間はつらいだろう。
 奥さんのサイバラさんとは本当に正反対だなと思う。彼女は本来の姿なのかどうかはわからないが、あらゆる事を糧として生きいく方向へ向う強さが凄いと思う。正反対(でも本質的な所では似てる)だからこそお互いパートナーになり得たのかもしれない。
 
 下戸の私からみたら死ぬと言われても飲んでしまうというのは理解し難い。でも自分はメンヘラだから「アル中」の心の病というリンク出来る部分は理解出来る。「自分で止めたくても止められない」感覚は非常に共感してしまう。恐らく地球上で一番酒を辞めたいと思っているのは鴨志田さん当人だろう。でも自分の意思ではどうにも抗えないような、家族の愛情でも救いきれない、そういうどうしようもなさこそ病なんだろうけど。
 せっかく数ヶ月酒を辞めていたのに奈良漬を食べてしまいまた酒を飲んでしまうという下りはゾクッとする。
 
 時折サイバラさんらしき妻が登場する部分は特別な反応をしてしまう。たいして登場しないのだけど、お2人の関係性を知っている目線で読むと、クールな描写に透けて見える愛情を感じてこそばゆさと切なさを感じてしまう。
 タイトルの「~うちに帰ろう。」という文言が鴨志田さんの家族への思いを感じる。
  
 暫くは飲まず下戸でいいかなあと思った。
 

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| 鴨志田穣 | COM(0) | TB(0) |















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