123456789101112131415161718192021222324252627282930
-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 |
2010-11-20 (Sat)


「何でもやってやろう屋」の好奇心旺盛な元私立探偵の成瀬将虎は知り合いの女性からある依頼をされる。
 自分の家族が交通事故で亡くなったが本当にそれが事故なのか調べて欲しいというものであった。彼女が事故死を疑っているのは生前その家族はある悪徳霊感商法にハマって騙されていたからである。
 将虎は悪徳霊感商法「蓬莱倶楽部」の調査に乗り出すが相当真っ黒な会社であり、思いもかけない展開へと導かれる。
 そして同時期に彼は自殺を図ろうとしていた麻宮さくらと運命の出会いをする。彼女は相当のワケありであった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 
 前回の記事の作品もそうだけど立て続けに「風呂敷広げ状態」な作品を読んだ。 
 この「葉桜の季節に君を想う」はそれはそれは見事な風呂敷の畳み方である。これ程見事な畳み方はめったにお目にかかれないだろう。

 実はこの作品を手にするのは二度目である。一度目は読む為にわざわさ借りてきたのに何故か食指が動かず読めなかった。今回は文庫本で借りたのだけど(前回は単行本)背表紙の「必ず二度、三度と読みたくなる徹夜本です」という煽り文句 親切な助言に心動かされて読んだ。読み終えてたまには助言に従ってみるもんだと感じ入った。

 この作品は主に元私立探偵成瀬将虎が知り合いから請け負った事件の話と、彼が若き日の探偵時代に関わった事件の話と、ある事件に関わっている女性の話が並立してストーリーが運ばれている。
 かなりラスト近くなるまで主旨の異なる(一応は関連性があるにはあるが)幾つかの話が並立して進むのでどうやって畳むのだろうとお手並み拝見という感じで興味津々で読んでいた。
 で、種明かしの部分を読み「おおお!!!!」と感心してしまった、上手く仕掛けたなと。全くの想定外で久々に心から「やられた」と思った。
 何ていうのだろうボーリングの玉が上手くバラけたピンを倒したような印象である。種を知って再度パラパラと読み返したが本当に上手く仕掛けている。騙し絵のような感覚でそれまで見えてなかった景色にびっくり。

 詳しく書くとネタバレになるので書けないのがつらい所だけど、ラスト辺りは少々「じ~ん」ときた。
 ジーンと来た部分を書くとモロネタバレになるので我慢するけど、ギリギリラインで言葉にすると、
 「情熱さえあれば人は何歳からでも始められる。幾つになっても可能性を抱ける」(これ以上言えん)
 そのことにちよっびっと感動した。ファイトが沸いてくる感じだった。

 文中の中に桜の木の話が出てくる。桜が咲く季節にはもてはやされるのに散ってしまったらお払い箱で、紅葉もするのにほとんどの人がその事実すら知らない。でも桜が散った後も桜は生きている。桜の葉はそう簡単に散りはしないと。
 言われてみると桜の木は春には盛大に注目を浴びるが桜が散ってしまったら見向きもされない。でも桜が散っても桜の木はちゃんと存在しているのである。
 読み終えた後タイトルの「葉桜の季節に君を想うということ」を読むとなかなかに感慨深い。ラスト辺りの「ジ~ン」とした光景と上手くマッチして染み入るのだ。 

 惚れ惚れするような風呂敷の畳み方だった。

指の運動にポチッとお願い致します。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ
| 歌野晶午 | COM(2) | TB(0) |















管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。