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2010-10-23 (Sat)
 

 普通に生きる女性達に起こった事件から人生の断片が綴られた短編集。

 「別れてほしい」
 美紀子は沙貴の遺影の前に立つ。「他に好きな人がいる」と別れを切り出した恋人直哉に逆上され殺されたのだ。
 「こんなことになると分っていたら。。。。。」と遺影を前に心で呟く美紀子であった。

 沙貴と美紀子は幼馴染であった。
 華やかで美しい沙貴はいつも周囲の注目を浴び、周りに人が集まった。
 対照的に美紀子は平凡でこれと言って目立つタイプではなかったが、気配りが出来面倒見の良い彼女は沙貴とはまた違った意味人が集まった。
 沙貴は自分よりちょっと劣っている美紀子が良さそうなものを持っているのが我慢出来ないらしく、彼女が好意を寄せる若しくは付き合っている人間を横取りする。たがすぐに飽きてしまい長続きしないのが常であった。
 だが沙貴は悪びれる事なく連絡をしてくる。人と争う事が嫌いな美紀子は付き合いに一線を引くが疎遠にはならなかった。

 美紀子は今付き合っている恋人直哉と共に沙貴のコンサートへ行き彼女に紹介をする。その夜美紀子の誕生日を直哉と共に祝うが、以後少しずつ彼の言動が怪しくなっていく。
 その影にまたしても沙貴の存在を疑うが。。。。

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 この方に興味を持ったのは実は苗字が私の苗字と同じ なのである。
 他人には本当にどうでもいい理由で知ることになった作家さんだが、失礼な言い方になるけど才能の開拓が今少し上手くいっていない方かなという印象がある。
 紛れも無い才能の水脈は感じるのだけど、その開拓の仕方がまずいのではないかなと幾つか作品を読んで感じた。
 最近、腕一本でおまんま食べられている作家さんに失礼な物言いが多いなあと自覚しているのだが、才能を感じる作家さんだけに惜しいなあと思う。勿体無いのだ。
 ついでに同じ苗字という親近感もあるので確変を期待しています。

 でもこの「天使などいない」という短編集は面白かったのである。特に「別れてほしい」と「落花」は本当に秀作でこの二作品だけでも読む価値有りと思う。正しく才能の水脈で永井さんの潜在的な能力の煌きを確かに感じさせてくれる。
 また「天使などいない」というタイトルが上手い。実はこのタイトルの短編は無いく、短編集を総称したタイトルである。読み終えた時に胸にストンと来るのが心憎い。
 この本に出てくる女性達は皆ごく普通の女性達である。怖さや醜さ弱さ悪意を持っていて、悩んだり迷ったり苦しんだり愚かだったりする。でもそんなの当たり前、だってそれが等身大の女性なのだ。
 天使なんていないのである。

 「別れてほしい」を読み終えた時良い意味で裏切られたという「やられた」感があった。よくぞ裏切ってくれてありがとうという位カタルシスがあった。
 女の嫌らしさがとかく見事に作品に活かされていて作品の要のオチにも効いている。
 最初は沙貴のような「他人のものが欲しくなるタイプ」っているよなあと思いつつ読み、案の定男を横取りされる美紀子は気の毒だなあと思いつつ読んでいた。
 そんな美紀子は同情されるヒロインだと思っていたら、後半以降その図は反転する。ネタバレになるのでこれ以上書けないのだが彼女は決して同情さるヒロインではない。沙貴以上のツワモノだったのだ。 

 解説者の方が作者は沙貴や美紀子の嫌らしさはどちらも否定していない、1人の女の中に沙貴や美紀子もいるという事を言いたいのではないかと解説されていたがGJな意見だと思う。
 否定していないからこそ女の嫌らしさを書いている作品の割にはそれ程嫌悪感を感じさせない
 私も沙貴や美紀子の嫌らしさを自分も気づかなくても飼っているんだろうし、だからこそ天使にはなれないのだ。

 「人間だもの」

 
 
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| 永井するみ | COM(0) | TB(0) |















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