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2010-09-25 (Sat)
 

  都内で起きる連続強盗事件。警察はそっくりな双子の兄弟のどちらかが犯人と解かっていながらも、どちらが実行犯なのか立証できない為に逮捕が出来なかった。警察を馬鹿にするような態度や行動をする兄弟に歯軋りする悔しさを感じながらも逮捕できるチャンスを伺っていた。
 雪に閉ざされた山奥のホテルに招待された6人の男女。オーナーを合わせての7人の男女は何者かによって外部との接触を完全に絶たれてしまう。次々と起こる連続殺人、犯人は誰なのか?何故このメンバーが殺されるのか?

 並立する2つの物語、その着地点は。。。


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 最近になってようやく「西村京太郎」デビューした。
 トラベルミステリー作家として有名な方だが、私は長い間読まなかった。それは夏樹静子さんの記事(単品は名シェフ)にも書いたが、「お茶でも啜りながら見る2時間サスペンス」のテレビドラマの原作によくなる作家さんはどこか安っぽい印象があって二の足を踏む(同様の理由で内田康夫先生の作品も未読)。
 「安っぽさ」が工場で生産される大量製品を連想してしまい読む前に萎えるのである。「大量製品」という言葉に読むための読書ではなく、ただ消費する為の読書という感じがする。
 
 でもこの「殺しの双曲線」を読んで西村先生の力量に瞠目し評価が一変してしまった。色々レビューを読んだら西村先生はデビューされた当初は本格ミステリーを書いてちゃんと評価もされていたようである。単に「金太郎飴のような売れる作品を量産する作家さん」ではなかったのである。
 「読まず嫌い」というのはせっかくの良い相手との出会いをフイにしてしまうのだと反省した。

 西村先生はこの作品においては「名料理人」だと思う。本格派の味わいを堪能させながらも工夫を凝らした盛り付け方と飽きさせない料理を振舞ってくれている。

 まずメイン素材となる「双子」という素材の料理の仕方と魅せ方がとても上手くて、「双子」の特性をこれ以上ないと言う位見事に使っている。
 犯罪がわかっていてもを逮捕する為にはその人物が犯人である立証が必要になる。だが「双子」である事を上手く利用されて「どちらかが犯人なのはわかっていてもどちらが犯人が立証出来ない」というある意味盲点を突いたシンプルな仕掛に感嘆した(実際可能な犯罪かは検討の余地はあるが)。
 シンプルな味付けながらも素材の味わいを活かしてさすがにメインディッシュと唸った。

 そして双子の兄弟による連続強盗事件と閉ざされた空間における連続殺人を交互に展開して飽きさせない。二つの事件がどこでどう絡み合うのかと興味を惹きつけられる。
 閉塞空間にあける連続殺人というのはミステリー分野において料理されまくっている題材だけど、素材自体は王道の味付けながらも食べ方を趣向を凝らしているのが心憎い。

 「本格ミステリー」味ながらも動機の部分に「社会派の味わい」を加えている。
 正直動機に関しても事件の規模を考えると若干弱いなと思う部分はあるものの、本格ミステリーにありがちな「殺人事件の為の付けたしのような動機」ではなくちゃんと考えさせる余地を持つ辺りが手を抜かない職人スキルを感じさせる。
 自分でも知らないうに加害者になる事もあるのだと。何もしなかった罪といのは無自覚なだけに底のない怖さを思う。
 
 流れ的に読み手が納得するようなカタルシスでの着地点は難しいのではないかと危惧していた。犯人達の計画が完璧過ぎる為に付入る隙を見出せなかったので不完全燃焼なラストになるのかなと思っていた。
 でもこれ以外は無いだろうという見事な着地点で西村さんの才気を見せ付けてくれた。
社会派風本格ミステリーとしての味わい以上に、料理の盛り付けの魅せ方にカタルシスを感じた作品だった。
 
 果たして初めて読んだ作品が「美味し過ぎる」のが吉と出るのか凶と出るのか、これからの「西村京太郎食いつくし」フェアがどのような結果になるのか乞うご期待!!!

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| 西村京太郎 | COM(0) | TB(0) |















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