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2010-09-12 (Sun)
   

 ドジでのろまな夢見る14歳の実加(石田ひかり)は、優しい両親と自分とは正反対のしっかり者の姉・千津子(中嶋朋子)に囲まれて幸せな日々を送っていた。ところがある朝、学校へ行く途中、忘れ物を取りに戻ろうとした千津子は、突然動き出したトラックの下敷きになって死んでしまい、その事故のショックで母・治子(富司純子)はノイローゼ気味になってしまう。実加はけなげにも姉の代わりを演じようと、ひとり明るく振る舞うが、ある日、変質者に襲われかけた実加は、死んだ千津子の幽霊に助けられる。その日以来、実加が難関にぶつかると千津子が現れ、“ふたり"で次々と難関を突破してゆく。そして千津子に見守られながら、日に日に美しく素敵な少女に成長していく実加は、第九のコンサート会場で、姉の知り合いだったという青年・智也(尾美としのり)に出会い、ほのかな想いを抱くようになる。やがて16歳になった実加は、千津子と同じ高校へ進学。演劇部へ入部し、千津子が生前演じたミュージカルの主役に抜てきされるが、そんな実加をやっかむいたずら電話により、治子は倒れて再び入院する。それと同時に北海道へ単身赴任していた父・雄一(岸部一徳)の浮気が発覚する。崩れかける家族の絆を必死に守ろうとする実加と、それを見守る千津子。そして、実加がそんな事態を乗り越えた時、それは千津子との別れの時でもあった。こうして自立していく実加は、この出来事を本に書き残そうと心に決めるのだった。-gooより






 今まで見た映画の中でこれは原作を越えたなと思うのは「風と共に去りぬ」「ふたり」である。
 映画を先に見てその後に赤川次郎さん原作の「ふたり」を読んだけど、私にとってはあまりにも映画が素晴らし過ぎて原作が色褪せて見えた不幸なパターンである。
 こう書くと原作がつまらないように思われるかもそんな事は無く素敵なのである。赤川次郎さんの創り手として才気が伺える十分な秀作だと思う。
 ただ原作読んで小説では到達出来ない「映画の力というか総合力の凄さ」をまざまざと感じ入ったかな。 やはり映画は映像や音楽とか役者さんとかのあらゆる要素が花開くフィールドで、それらが咲き誇ったときの見事さは別格である。
 それと原作ではお姉さんは声だけの存在として蘇るが、映画では幽霊とはいえ姿が見える設定になっていて映像の利点を生かしているので余計に心に入りやすいのもあると思う。

 名作映画に決して欠かせない要素は役者さんの魅力だろう。
 メインキャストの中嶋朋子さんも石田ひかりさんも素晴らしい。勿論「演技」なんだろうけどこの作品世界ではお2人はそれぞれの役柄として生きてるんだろうなあと思った位である。
 大林監督は他の作品を見ても思うが、少女時代という稀有な一時の輝きをフィルムという形で「瞬間パック」にして残す技量は卓越してると思う。女性的な襞をお持ちの方なんだろう。
 個人的には石田ひかりさんの演技が印象深かく残っている。この作品が映画初デビューらしいが見事に「少女が大人へと成長する」一時を演じきっていて、その年の映画賞新人賞を総なめされたのも頷ける。
 ホントに最初は垢抜けない子供っぽい少女が、自立への階段を登るたびに脱皮するように美しくなっていく様が驚きなのである。勿論お化粧とか髪型の影響もあるのだろうけど、雰囲気というのが身にまとう空気が違うのである。
 後にNHKの朝の連続ドラマに主演する一里塚はこの辺りから刻まれているのだ。 

 この作品を「ジュブナイルファンタジー」と評した解説があるがこの映画を端的に約した見事なラベルだと思う。
 原作よりずっとファンタジーな仕上がりになっている。大林監督のロマンチズムの現れとも言えるかも知れない。でもそのファンタジーさが上手く「少女の成長物語」として作用していると思う。
 実加が千津子に見守れながら自立して行く姿を尾道の美しい景色や名曲等のディティールで彩らせながら運んで行き、結構長めの映画だけど見るもの飽きさせずその世界に釘付けにしてしまう。
 実加が口ずさんだりバックに流れる曲は「草の想い」というタイトルで大林監督作詞で久石譲さんが作った曲である。
 これが本当に本当に名曲でこの歌があるとないとでは作品の完成度は3割は違っていただろう。それ位縁の下の力持ち的な曲である。
 エンディングでこの曲が流れた時と鳥肌が立った。

 でも自立出来た時が別れの時というのが切ない。それがbetterな締めくくりなんだろうなとも思うけど。
 千津子が呟いた言葉。
 「私は終わったことばかり。あなたは、これから始まることを大切にして」
 彼女の時間はもう進まない、実加の時間は進んでいくのだから別れの時が真の自立なんだよな。
 でも実加が千津子との二度目の別れの後嘆くのではなく、自分と分離不可能な想い出として心の中で生き続けさせる姿に本当に少女時代から脱皮した姿を感じて感動した。

 人は亡くなっても想いは残る。自分が封印したりしない限り形を変えるだけで「ある」んだなと思った。
 


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