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2010-08-25 (Wed)


作家平安寿子さんは40歳前に神様へ「わたしのこれからの仕事は、書くことと、親を見送ること。それ以外は何もできなくても構いません」とお願いした。
 そのお願い事が全て叶えられるまでの道のりが綴られた自伝的私小説。

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  今回の記事は長いっす!!!

 最近思うのは文章への最高級の褒め言葉は「読みやすい」ではないだろうか。「流麗な文章」「読み手を惹き付ける文章力」も勿論素晴らしいが、文章というか文体のバランスの良さの集大成が「読みやすさ」だと思う。平さんの作品を読んそれって改めて大事だなと思わされた。
 平さんは私にとって「はじめまして」の作家さんだが「神様のすること」は読みやすくて面白かった。
 この本は平さんのお母さんが倒れられてから亡くなるまでの6年間の介護の日々を、ご両親の歴史とご自身の作家になるまでの道のりを交えながら綴られた「我が家の歴史」的な作品である。
 その物語にNHK朝の連続テレビのように何か波乱万丈のドラマがあるわけではなく、ありふれた日常の一コマである。それでも読み手をあきさせないのはやはり腕一本でおまんまを食べている「巧みの技だあ」と思った。

 身内を介護する者の思いが良い意味でクールにドライに書かれている。長い介護におけるネガティブな感情や、避けられない「死」というものに対してユーモアという優しさを持って描かれている。だから暗さや陰惨さは無く、レビューに「解体全書みたい」という意見がそんな感じの趣がある。
 合わせて書き込まれているご両親の歴史ドラマが面白い。
 お父さんはとりたて夢や野心を持たない受身のままで生きる暢気者。お母さんは目標や夢を定めて邁進するエネルギーのある自我の強い人。
 ごく普通の人の生き様が綴られているのにどこか普遍的な人間の営みを読む思いであった。
 またご自身の幼き頃に負った火傷のトラウマ、生き方に迷った30代後半、そして46歳で小説家となった道のりなどのエピソードも織り込まれており、それらを含めた平さん一家の色んなエピソードが混沌とするのではなく血と肉となって「一つの家族の歴史物語」を紡ぎだし読む者を引き込む。
 時代が変わっても人の営みなんざ今も昔も変わらず日々悩み喜び、そういった事を何代にも渡って繰り返してるんだろうなあと思う。

 実は「神様のすること」というタイトルに惹かれて読んだ。何度も書いているが私は無宗教だけど、神様はいると思っている。
 平さんは付き添い天使の存在を信じている。その天使は無力でただ一緒に泣いたり笑ったりする天使らしい。
 平さんの高校時代の級友の言葉である、
「天国なんか無い死んだら塵になるだけと思っている人は死んだら塵になるだけ。天国を信じている人は、死んだら天国へ行く」(省略抜粋) 
には私も同意見である。
 世界はびっちりとした規格で出来ているわけではなく、意外と「ゆるい」んじゃないかと思う。「いる」と思えばいるし「いない」と思えばいないように世界は私が見たいものを見せる、それが「私の現実」なんじゃないかと最近思う。
 世の中の真実なんてものは神様の手帳でも覗き見しない限りは本当の所はわからないと思う。それなら自分が信じたい「真実」を信じればいいのではないだろうか。
 
 平さんは神様は私の願いを聞いてくれる。100%聞き届けてくれたとおっしゃっている。「小説家になりたいと願い、そうなった。親を見送りたいと願い、親を見送る事が出来た」と。
 神様という言葉が平気で出てくるけど嘘臭さとか怪しさというのは感じなかった(人によっては感じるのかもしれないが)。
 「苦渋をなめる事なしに願いは叶わない。神様のルール」という意見には賛同しかねるけど、願い事というのは取り下げなければなんだかんだいいながらも最終的には叶うんじゃないのかなあと読んでいて思った。「棚からぼた餅」的なというか「グリコのおまけ」的な気軽さで待つのがいいかも。

 平さんは「これからもよろしくお願いします」の作家さんになるかもしれない。

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| 平 安寿子 | COM(4) | TB(0) |















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