123456789101112131415161718192021222324252627282930
-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 |
2010-08-21 (Sat)


  長年地球を監視続けた「天使」。
 一万項目のマイナス次項がチェックされた時、アーシアン(地球人)は彼等に滅ぼされる運命になる。
 天使の中で唯1人突然変異で黒い髪と黒い翼を持つ天使であるちはやは、アーシアンを守る為にプラス項目をチェックする正の調査員に立候補する。そして負の調査員である上級天使の影艶と共に地上へと舞い降りる。
 前半は彼等とアーシアンとのエピソード、中盤以降は同性でありながらも互いに好意を抱くちはやと影艶の関係性にスポットが当たりながら(同性愛は死罪である)、天使達を絶滅に追い込む可能性のある「黒色ガン」綴られている。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 いつも私のブログにお越し下さる方の中には「あれっ?おりえさん、最近マンガの記事多くない?」と勘付かれた方がいると思う。この猛暑の中図書館に行くと溶けてしまいそうなので、我が家にある本(ほとんどマンガ)を再読中。 「温故知新」プログラムと名付けて邁進中。 

高河ゆんさんの代表作と言えばこれもう「アーシアン」だろう。この作品は単行本(でいいのかな)で5巻まで出ているが、最終回前の数話はどういう理由かはよくわからないがかなり長い間単行本に収録される事なく放置されたままになっていた。結局別の出版社から新たに書き加えられた外伝を含む全ての話が収められた完結版が出版された。
 その完結版を立ち読みしたのだけど外伝の絵は相当変化していて(ある意味この外伝が真のラストになるのだと思う)、別人が書いているような絵柄の変わり具合に私は途中で読むのを辞めてしまった。
 それ故完全な形で作品を読み終えていない視点で書かれている事をご了承頂きたい。

 高河ゆんさんは「やおい系」マンガ家として有名な人であった。だからそちら系統が苦手な人は「アーシアン」は厳しい思う。ただこの作品はその括りで拒否されるにはあまりにも惜しい傑作である。
 彼女の作品を読んで凄く感じたのは、
 「誰かが自分を愛してくれる世界、自分が誰かを愛している世界の愛おしさ」
を描くのが抜群に上手い人であるという事である。
 「人を愛する事」というテーマを薄めないカルピスの如くかなりストレートに表現されているが、そういう場合に付き物の「クサさ」とか「ある種のいやらしさ」は全く感じられないのがアラ不思議。
 人を愛するという思いが純粋に表現されていて堪らない愛おしさを感じ、意味も無く沸々とパワーが沸いてくる。
 扱い方を間違えれば陳腐で安くなりそうな「愛」というテーマを、まるで魔法のように輝いて魅せる彼女独自の色合いを持った表現世界と言葉の使い方はある意味神業とも言えるだろう(私がファンだった当時はである)。 
 
 どのエピソードも秀脱なのだが、この作品で私が一番好きなエピソードはバイオヒューマノイドである多紀の物語である。
 多紀はマッドサイエンティストに作られた人工生命体。博士からは人形だと偽物の命だと言われるが、今自分が確かに生きている命は本当に偽物なのか?彼は「自分は何者なのか」と問い続け人間になりたいと願う。
 幼い少女を救う為に高層ビルの非常階段を腕一本で支え千切れた腕の痛みに苦悩しながら「もし俺が壊れたら人が死んだ時と同じ場所で眠れるのか」と呟く多紀に、ちはやが「それは眠れるよきっと多紀はアーシアンだから」と言ってあげるシーンは胸に響く。
 「自分が何者であるか」という問いかけは私達だって同様だろう。あくまでも人工生命体という視点から綴られているが、多紀の自分探しの物語はある意味私達の物語とも言える。
 彼には犬機能というのがプログラムされておりそれ故絶対に博士に逆らう事が出来ない。殺されかけてもなぶられても博士の事は好きなのである。こういう設定の巧みさに彼女の創り手としてのセンスの良さを垣間見る。
 そんな多紀が守りたい愛しい子を見つけ、その思いに支えられながら自分を人間として認知していく様は切なくも愛おしい。
 
  「愛おしさ」が一杯詰まった名作である。

ランキング落ちているので、ぽちっと押してやって下さい。 お願い致します。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ


| マンガ | COM(4) | TB(0) |















管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。