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2010-06-19 (Sat)
 

 自選短編8種

 「手紙嫌い」
 志逗子は「手紙」が大嫌いで、彼女の手紙への嫌悪は異常とも言えた。
 しかしある必要性に迫られて彼女は手紙を書く一大決心をする。
 その為に「実践・特殊手紙文例集」なるものを購入してそれをお手本に書こうとするが、手紙文例を読んでいるうちに志逗子が手紙嫌いとなった原因が判明する。。。。
 
「船上にて」
 「私」は豪華客船でふとしたきっかけでハッターという引退した宝石商の老紳士と出会う。気が合い共に行動する事になり、ハッターがかつて濡れ衣でダイヤの原石盗難事件の犯人されたいきさつを聞かされる。
 妻と死に別れひとりで世界旅行をしている彼だがトマスという甥も船上にいた。親から莫大な財産を受け継いだ彼だが変わり者でもあった。ナポレオンが三歳の時の頭蓋骨をとんでもない値段で購入しそれを嬉々として2人に語っていたが、ある時それが盗まれたと大騒ぎをする。 


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 私にとって「若竹七海」さんはジャケ買いならぬペンネーム借りをした作家さんである。
「若竹七海」という漢字の並びは四文字熟語を思わせる流麗さを感じさせ、ななみという名前の響きが素敵である(昔から子のつかない名前に弱い)。
 ペンネームが気に入って出会ったという、自分にとってはめずらしいエピソードを持つ作家さんだ。
 
 出会い方はええ加減だけど良い巡り会いをしたなと思う。
 この方も割りと波のある作家さんだけど乗っている時はブラックティストが効いていて面白い。でもそのブラックテイストの主原料は苦味とは若干意味合いが異なっている。
 苦いのは苦いのだけどもう少しパンチのある「毒」という感じかな。それ故、人によっては苦手に思うかもしれない。その辺りが好みの分かれる部分かなあと思う。
  あとユーモアも効いているけど、たまにどこか突き放したような冷たさを感じさせる作品もあってその温度差が個人的に好きである。 
 
 今回の8遍はご自身が選ばれたそうだけど、どれもキレがあってオチもひねりがあって面白い。
 本当にどの作品もよく練られた感があって質が高く、また色んな趣のある作品達で、正に豪華高級幕の内弁当という感じである。
 若竹さんを未読の方でどういう作家さんか知りたい方にはお勧めの短編集ではないだろうか。

 「手紙嫌い」はブラックユーモアがある。確か推理作家協会の代表作選集に選ばれた一品のようだが上手い。特殊な手紙の文例集が載っているのだけど脅迫状の書き方とかがうけるうける。それに対する志逗子の対応とかも面白い。若竹さんのユーモアって結構好きである。淡々さの中にある冷静なユーモアがおかしい。
 ラストで志逗子の手紙嫌いの真相がわかるけどオチが上手いなあと思った。それまでユーモアな世界が一転ブラックに落ちて「持って言った」感じである。 

 「船上にて」はこの短編集の中では色合いというか雰囲気が違う。外国物の新本格派という感じでラストに収められているのだけど、それまでの作品とは違う趣におやっと意外性があって強く印象づけられる。
 本当に外国ミステリーというタッチで翻訳物だと言われても納得したと思う。
 キマッテイル作品で読み終えた時「おお」と思った。若竹さんもこういうのが書ける人だったんだなあと、隠れた実力も見せ付けられた。

 お試しに丁度良い味と質と量である。

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