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2010-03-24 (Wed)
 

  救命救急センターに運び込まれた自殺未遂者約20人に聞き取りをしたノンフィクション。
 自殺時に彼らは何を考えていたのか?死ねなかった彼らは今何を思うのか?
 自殺で死ねなかった人々の心の吐露を丁寧に掬い取っている良書である。


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 ここ最近の記事を読んだら「自殺」に関するものに触れている事が多いのに気づいた。
 多分今の私は「死」を通して「生」に触れてみたいと思っているのかもしれない、「生」そのものではなくて。
 なんというか「生」の本当の姿は「死」を抱き合わせないと見えてこないのではないかと思っている。
 色々もやもやした思いがあってここ最近は「生を見つめる強化月間」となっている。   
 
 こういう言い方が適切かどうか解からないが読み物として素直に面白いと思った。本気で自殺しようとした人とそうでない人との違い、自殺と突発事故の違いなどの指摘がなかなか興味深い。
 タイトルだけ見たらバックに縦線が幾つも入ってるような暗さを悲哀や連想させるがそんなことはなく、「自殺」というものをひとつのモチーフとして扱うクールな体温が作品世界を沈み込ませていない。
 普通「自殺」を扱うと情緒的な感じになるが、これは「解体全書」的な検証している感じが新鮮であった。
 こんな角度から捉えた「自殺」というのは私は初めてである。

 自殺を試みた人の生の声がダイレクトに伝わってくる。
 意外だったのが本気で自殺する人のほとんどが突発的で遺書等残すのは稀らしい。
 死に取り付かれた時は色々自殺の方法を考えても、その瞬間自分の目の前にあった物や頭に浮かんだ考えで実行してしまう。この方法で死ねるかどうかではなく楽になるのはこれしかないと思いつめるようである。死ぬ事意外には何も考えない完全に気持ちが視野狭窄となってしまう。
 正直今までカッターで手首切るよりも包丁で心臓突き刺した方が確実だけどなあ思っていたがそういう状況になるからなのかと納得した。
 計画的に自殺するのは存外難しいなあと思う。余程気持ちが追い詰められるような状況にならない限りはなかなか自殺は実行出来ないないだろう。

 一番興味深かったのが「交通事故が人間の生命を呆気なく奪い、自殺者の生命は感心するほどしぶとい」という言葉である。
 これはしみじみと納得してしまった。元々自殺する人は本来は生への欲求は強いのだと思う。「生きたい」という思いが真逆の方向にいってしまうだけで。
 そういう無意識的な生への執着心が「生」の側にひきとめるのではないかと思う。
 一方交通事故とかの場合は本人自身が全く「死」というものを意識しておらず、不意打ちのような形で出くわすから呆気ない気がする。ひっかかりが用意されていないというのだろうか。
 皮肉な言葉である。

 ラスト近くで書き手の方が取材をした1人で後に友人となった美由紀さんが、
 「生きてて良かった」
 と言う。
 この言葉は書き手の方数年に及ぶ取材の一つの結果を物語る言葉だと思う。
 そして私もこの言葉に救われた思いがした。
 著者も書かれているが自殺未遂されて「生きていて良かった」と思われた方全員にそう実感出来る奇跡が訪れたわけではないと思う。それでも生き残られた多くの方がそう思える時がもたらされるのだという事実が希望の実だなと思う。


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