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2010-03-17 (Wed)
 

   統廃合された榛(はしばみ)中学校。
 その最後の一クラス3年1組だった21人の生徒達。入学式の日に若き担任の韮山先生からこのクラスメイトは21世紀に21歳になる仲間達と告げられる。
 単なる偶然ではあったが、この偶然が彼らに特別な連帯感をもたらした。「21」というもので繋がれた特別な仲間達。
 卒業して10年。25歳になった元同級生達に驚きの連絡網が廻ってくる。同級生の1人であった半沢晶が元3年1組の教室で首吊り自殺をしたと。彼は大変な美少年だったが人懐こい可愛い子犬のようで誰からも愛されていた。
 何故晶は自殺したのか?
 確かな絆で結ばれていると信じていた仲間達は、何も言わずに死を選んだ晶に思いを馳せじくちたる思いを抱く。
 自分達は晶の為に何か出来なかったのかと。。。
 

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  この作品はありていに言うと自殺によって大切な仲間を失った「残された者達の物語」と言える。
  クラスメイトの主要5人の視点を中心に、クラスメイト達が何故晶が自殺したのかと自問自答する姿が描かれている。
 
  当たり前だけど残された者は皆必ず「どうにか自殺を止める事は出来なかったのか?」という思いを胸に抱く。
  そして生前の晶に関わった人間達は自分が彼を自殺に追い込んだのではないかと苦悩する。
  自殺をした人間は決して意図したわけではないけど、残された者に大きな荷物を背負わせる事実を再認識させられる。「仲間」という自分達の存在が死のストッパーにならなかった事を悲しむ姿は切ない。
  読んでいて「命」そのものはその個人のものだけど、「死」というものは個人だけではなくその人に関わる全ての人達のものでもあるのだと思った。
  誰もが無人島で生きていない限り誰かと繋がっているし、だからこそ「死」は波紋を起こす。

  ラストで晶という青年の自殺の理由が明らかになる。
  ある人間にとっては「生きる」という事が本当に難しいんだなと感じた。特別不幸な状況にあるわけでもなく、どちらかと言えば恵まれた環境にあってもずっと心の中に生れ落ちた時から抱えているような「孤独」を飼っている人間っているのだ。もうそれは努力で改善出来る類のものではないみたい。
 そういう人間が死を選んだらそれは誰の責任でもないとは思う、個人的には。 

 この作品は残された者達の物語であると同時に、大切な人の「死」を通して生き続ける事を決意する物語でもある。
 晶の自殺は愛する仲間達へ重荷を背負わせる事になるがその苦悩の抱きつつ、彼が捨てた生きるという選択を仲間達は選び取ろうとする様が、
 「エネルギーチャージ」
 という感じで読む者に力強さを与えてくれる。
 いつか日常に大切な友達の死という非日常は埋没するのがわかっていても、それでもその死は形を変え自分の中に残し続けるのが生き続けるという事なんだろうなと思う。
  
 「何もかもうまく行くなんてありえないし、うまく行かないほうがあたりまえなんだと思っているけど、それでも。
生きていくことが、幸せへと向かう唯一の手段だと思っている。」
 
 まあそうだよなあと思う、死んだら何もかもお終いだ。生きていたら幸福のチャンスは残されている。
 でも生きるというのが幸せだけではなく、苦悩も不幸も抱え込む事になる。そういう部分とどう折り合いをつければいいのか、どう向かい合えばいのかと光を模索中の自分は思ってしまう部分もある。

 でも生きてればいつかそういう苦しさもや悲しみも含めて、色んな事がいとおしいと思えるような幸福が訪れるかもしれない。。。かな。


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| 小路幸也 | COM(4) | TB(0) |















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