12345678910111213141516171819202122232425262728293031
-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 |
2010-02-17 (Wed)
 

 高校を卒業してから10年。年に一度のクラス会が開かれる。ここ数年のクラス会の話題は専ら「キョウコ」であった。
 有名女優となった彼女に同級生達はミーハー根性で会いたがるが「キョウコ」は毎年欠席をしていた。
 彼等はなんとか次のクラス会には出席して貰おうと色々画策をする。
 だが「キョウコ」に会いたがる幾人かはミーハー根性だけではなく、それぞれ複雑な思いを持って再会を望んでいた。
 その複雑な思いには高校時代に起きた「小さな幼い罪」も起因していた。。。

 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~    最近頻繁に起こっている「気分の青春返り」。なんだか持病になりつつある。
 年のせいなのか(多分そうなんだろうけど)若い時の自分を思い出すような心理描写に出くわすついその場で長居したくなる。
 この作品も正直話の展開よりも物語で語られるそれぞれの心理描写の方が心に深く残った。
 
 青春時の自分の心持を彷彿させるような物語に出会うと窓から差し込む陽気に辺りながら、
 「ああ、そういう事もあったよなあ」 
 としみじみする面持ちになるのだ。
 登場人物達の心理描写に共感しまくって内容そっちのけになってしまう。つくづく自分はフェチな読み方するなといらん感心をする。
 
 上手いなあと思わせるのが目次というのかそういうのが出席番号何番というタイトルになっていてそそられる。
 男女5人が高校時代の回想と現在の自分を絡めながら様々な思惑で「キョウコ」に思いを馳せる。特に高校時代の回想が興味深かった。
 学校生活はクラスや友達関係の中で色々自分の立ち居地や自分の値札(自分という者の価値とでも言うのか)というかそういう事に過剰に汲々としていた。社会という枠より狭い学校という中だからこそ余計しんどい部分もあった。自意識過剰期だから致し方ないと言えばそうなんだけど。
 若い時って何であんなに色んな感情がたぎっていたんだろうと今は不思議に思う。年を重ねて冷ますためにはやはり一度はたぎる必要があるからだろうか。
 苦い共感の部分も有ったがやはり懐かしい感情だった。

 ここに登場する男女は28歳。色んな意味で揺れる年頃だと思う。
 もうピチピチと言える年齢でもないし、一つの節目である30歳間近。自分の今の立ち居地やこれからの未来等色々と考える時期だ。
 SMAPの名曲「夜空ノムコウ」じゃないが、
 「あの頃の未来に 僕らは立っているのかな~♪」
 と高校時代に思い描いていた未来と違う位置に立っている事への不満、あせり、戸惑いがリアルだ。
 30歳を超えればそれはそれで開き直れる部分も出てくるのだろうけど。「難しいお年頃」である。
 でも年を重ねるとそれまで背負った重荷を少しずつ降ろして楽になる部分もある。
 そういう自分の感情に若干素直になってなんとか今の自分と折り合いをつけながら前を向いて歩こうとしている登場人物達の姿は気持ちよし。

 もうしぎ40歳目前の私は「再度難しいお年頃」の真っ最中である。
 
ランキング落ちているので、ぽちっと押してやって下さい。 お願い致します。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
 
| 辻村深月 | COM(8) | TB(1) |















管理者にだけ表示を許可する

大人の心を強く揺さぶる:太陽の坐る場所
太陽の坐る場所作者: 辻村 深月出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/12メディア: 単行本 猛毒小説。 劇薬という毒性ではなく、読んだ後じわじわと体が蝕まれていく感覚。 決してグロかったり、怖かったりするわけではないのだが、心が痛い。 …
2010/03/09 22:29  本読みの記録
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。