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2010-01-03 (Sun)
「グアムヨットレース」に参加していた『たか号』。
 出発した数日後に船は転覆し、乗っていた6人のメンバーは緊急用のボートで漂流する羽目に陥る。
 助けが来ないままメンバーは1人、また1人と死んでいく。遂に最後の1人となった著者の佐野さんが生還するまでの27日間の記録。


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私は海が物凄く苦手である。幼き頃に溺れて以来「三つ子の魂百まで」の如くトラウマになり夏でも、
「プールがある、プールがある、プールがあるさ~♪」 
 と海へ泳ぎに行ったことがない。
 私にとって地面に繋がっていないというのは恐怖である。あんな広大な大海へ投げ出されて一ヶ月近く、しかもたった一人で生還されたという物語に野次馬根性を持って読み始めた。

 著者の佐野さんがこの手記を出版する決意となった「生きる事をあきらめなかった姿を事実として残しておきたい」というポリシーに貫かれた、なるべく公正に事実をありのままに記そうという姿勢に好感が持てる。
 書いている内容は壮絶である。
 なんせ食べ物は一日一枚のビスケットを六等分したかけらのみ。水は一日20cc。特に水への渇望が凄まじい。
 この本読むまでてっきり食糧難の方が危機的なのなと思っていたが、ある程度まで栄養をとれなくても脂肪や筋肉をエネルギーへと変えられるらしいが水の方がもっと重要らしい。夜露やそして自分の尿すらも最終的には口にするようになるのは驚きである。
 1人、また1人として亡くなっていくに連れ「死」への厳粛さは薄れ、だだただ事実としの「死」となっていく様が痛々しい。
 創作ではない、本当に「生」と「死」のギリギリの境界線が剥き出しにされた描写は引き込まれる。
 だが壮絶な描写ながらも著者の佐野さんのはなかなか文章力があり、どこか清涼さを感じさせる文体が「壮絶な重みを持つ体験記」というより「自分の体験談としての記録」という感じがして受け入れやすい。
 
 佐野さんが散々苦しい目にあいながらも満点の星空を見ながら「こんなきれいな星を見ながら死ぬのか」という下りが印象に残った。
 極限の状態であっても美しいものに感動するもんだなと妙に感動してしまった。そういうものはどんな状況にあっても零れ落ちないのだろうか。それとも極限にあるからこそ響くのかもしれない。人間ていいもんだなあと思った。
 いずれにしても心洗われる描写であった。

 読んでいて生き残る者と亡くなってしまう者とは何が違うのだろうと思った。医者の話では佐野さんは生き残るタイプの体質というか能力を持っていたからだとおっしゃるがそれは生還されたが故の結果論とも言える。
 多分一mの差だとしても何かの差異が運命を違う岐路へと向わせるんだろうなと感じた。
 
 生きているのはありがたいと普段忘れている重要な事実を再認識させてくれる作品である。

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