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2009-12-30 (Wed)
 

 病を抱えた女性の10の物語

 「シュガーレス・ラブ」
 フードコーディネートの佐伯はもうすぐ会社を辞める予定であった。
 アルバイトとして入り出世し30代で主任まて登りつめたが、会社は古い体質で男尊女卑の傾向があり女性の出世も限界があった。
 だがフリーとなって仕事を広げて行こうと思っていた矢先にフードコーディネートとしては致命的な味覚障害になる。
 甘い物以外は何を食べても味がせず、まずいこんにゃくを食べている感じがした。

 本当と嘘のグレーゾーンを使って錯覚の中で真の自分の姿を隠して生きていた。
 それでいいと思い生きていたがそのつけがまわってきたのか、時折襲う虚無感に必死に歯を食いしばるが。。。。

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 この作品集はいみじくも文庫本の解説者が書いているように「王子様なんか来ないと知ってしまったシンデレラ達の物語」である。
 この下りを読んだ時、
「解説者の人は良い仕事してるねえ~」
と思った。
 そうなのだ。
 この作品集に出てくる多くの女性は王子様なんか待っていません。多分、王子様を待つには彼女達の現実はシビアだからだと思う。夢想出来るうちはまだ悩みにも余力がある。
 現代病とも言える心の病等をテーマに「灰かぶりのままのシンデレラ達」の物語が綴られていて面白い。 

 「シュガーレス・ラブ」の主人公佐伯が嘘を辞めた時の、
 「別に死にはしない、何をしたって生きていける」
 とシーンは爽快感がある。気持ちの深呼吸と言う感じで。
 悩み事というのはそれにどっぷりはまっている時は視野が狭くなってしまうけど、でも視点を変えたり、突き放してみると案外楽になれる部分もあると思う。多くの悩み事というのは存外そういうもんかもしれない。
  
 彼女だけでなく他に出てくる女性は皆それぞれの不幸を抱えている。不幸と呼ぶ程でもないかもしれないが、心の痛みを持っている。
 勿論その痛みが完治するわけではないが、でも痛みを抱えたままであっても掴み取れる幸せに前向きに向っていこうという様には元気付けられる。
 「私も頑張ってみるかね」
 とちびまる子風に自分に活をいれたくなる。 

 この本を読み終えた時、若干の不幸というか苦労を抱えている方が人生は深みがあるんだなと思わせてくれるのが嬉しい。
 100%の幸福よりも10%位の不幸を抱えている90パーセンの幸福の方が本当は幸せなのかもしれない。   
不幸があるからこそより幸せが実感出来る。不幸ありがたやではないが、 仲良くしても良いかな位には思える。

 ほころびだらけでもつまずきまくりの「灰かぶりのシンデレラ」のままでも生きてていいんだと思わせてくれる山本さんの作品はやっぱり好きである。

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| 山本文緒 | COM(4) | TB(0) |















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