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2009-11-21 (Sat)
 

 F県警捜査一課には生え抜きの捜査三班が揃っていた。
 「理知」朽木を班長とする一班、「冷血」楠見の二班、「捜査の勘」村瀬の三班。
 彼等は『事件』を互いに食い合いしのぎを削り競い合っていた。
 それぞれの班が取り扱った事件六つの物語が収められた短編集。

 「第三の時効」
  事件は15年前に起こった。
 夫の留守中にエアコンを取り付けに来た幼馴染の武内にゆき絵は汚されてしまい、その現場に帰宅したばかりの夫が遭遇しもみ合った挙句夫は殺されてしまう。武内は逃亡し、その後ゆき絵は妊娠の事実を知らされる。
 夫の子かそれとも武内の子か?苦悶の果てに夫の子と信じて彼女は女の子を出産する。
 そして三年前に逃亡中の武内からゆき絵へ電話が入る。
 「あの子、俺の娘だろ?」
 海外へ七日間滞在した時効の進行停止の「第二の時効」がもうじき迫っていた。
 事件発生の第一の時効は過ぎ、第二の時効を知らなければゆき絵に連絡してくるか会いに来るもしれないと踏んだ警察は彼女と娘のありさの周囲を見張る。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 
「タッ、タッ、ターン、タッ、タッ、ターン、タッ、タッ、ターン、」
 (音痴なのでメロディー拾えてないのですが一応太陽にほえろのイントロ)

 このメロディーが流れると自分の中の血がちょっと騒ぐ。
 警察物というのは何故か血をたぎらせてしまう。古今東西テレビでも警察ものが多いのはやっぱり好きな人が多いからだろう。
 日常の中の非日常というドラマ性がたぎらせる要因だと思う。

 そんな私にとって「横山秀夫」という作家さんは熱い血を呼び起こしてくれる作家さんである。
 警察小説という分野の中で彼は群を抜いた書き手ではないかと個人的には思っている。
 話の面白さ、緻密さ、意外なオチ、そして何より体温を伝えるような人物描写と人間模様の表現。
 横山さんは元々警察関係のお仕事をされていたのかとさえ思う程の臨場感に驚く(調べたところ元は記者さん)。
 だから周囲の未読の知人に、
 「お買い得だよ!!!」 
 と布教活動をしていた。

 どの作品も秀作だけど「第三の時効」が際立っている。登場人物、設定等の道具仕立ても興味をそそるものだけど、これはオチが効きまくる。
 「えっ!!!w(゚ロ゚)w」  
 と予測もしなかったオチである。 
 幾つも張り巡らせた糸が最後にビンっと貼ってその図柄に驚かされた感じだ。
 横山さんが書かれた短編の中でも最高傑作の一つだと思う。 

 横山さんの書く男性像は男くさくて、カッコいい。
 でもカッコいいと言っても、頑固な人間、自己中な人間等一筋縄でいかない人間ばかりではあるが、でも隠れヒューマンな人間像が多い。
 表面上は、
 「関係ないっすね」
 というような無関心を装っていて一皮向けば人間の情を覗かせる。
 一歩手綱を間違えた方向へ向けると私があまり好きではないロマンチズムへと転化しそうだけど、それを絶妙な匙加減で「粋な」男達にしているのが横山さんの魅力だなと思う。

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2010/06/26 17:12  粋な提案
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