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2009-11-04 (Wed)


 名門大学「首都大」。
 そこには変わり者が集まっていると言われる「弦巻寮」があった。
 父に捨てられ、母と死別した薫平はそこの寮生であった。
 「弦巻寮」は常に廃寮の危機を抱えていたが、廃寮を目論む大学側とそれを阻止しようとする寮生の歴史に新たな流れが生み出されようとしていた。
 大学側が名倉という舎監を送り込んできたのだ。
 「若者が嫌い」と豪語する名倉はあの手この手を使い寮生を厳しく管理し、それに反発しまくる寮生達。
 だが様々な事件を乗り越え互いに少しずつ心を通わせていくが。。。。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  男性作家さんは少ないない割合で心の中に「ロマンチズム」を飼っていると思う。
 ただ個人的に男性の「ロマンチズム」あまり好きではない、己の「ロマンチズム」に酔っている気がするから。
 ただ野沢さんの酔いかたは嫌ではなかった、この作品のでも良い酔いかたをされている。

 登場人物達がとても魅力的に書かれている。 
 1人1人に味があるというか、肉付けにキャラクターの息遣いを感じさせる。
 そのキャラクター達が恋愛や家族関係、就職等様々な事柄に遭遇する過程に親近感をもって読み進めてしまう。

 薫平達、団塊世代ジュニアは傷つく事を嫌い、自分達の居心地の良い半径二メートルの世界にし関心がない。
 私も多分団塊世代ジュニアなので彼等に共感していまう。
 出来れば傷つきたくないし、痛いのは嫌だ。痛みをどう対処したらいいのかわからない。
 そんな彼等が30年前は団塊世代の若者で機動隊員であった名倉と反発し合いながらも、様々な事件を解決していくうちに互いの距離を縮めていく。
 ありきたりだけど上手く料理して読み手に「美味い!!!」と言わせる技量はさすが野沢さんだと思った。

 名倉が薫平達に贈った言葉、
 「皆さんの未来を傷つけるかもしれない。しかし何も傷つかない生き方より、それは遥かに意義があるのではないかと」
 そうなんだよな、傷もまた生きている証なのである。傷つき乗り越えなければ得ることの出来ないものもある。傷つかなければ痛くはないけど何もならない。

 ラスト付近で薫平等が自分の世界にただ漂うのではなく、足をつけて名倉と共に大学側と戦う下りは目頭が熱くなった。
 その熱さを感じた時自分は確かに年を取ったのだと感じた。
 若い頃に読んだら薫平等にしか共感出来なかったと思う。50代の名倉の気持ちはわからない。
 でも今なら名倉と薫平達にもどちらにも共感出来るのである。
 薫平達の世界はかつて私もいた場所であり、名倉のいる場所はこれから訪れるだろう世界である。
 彼が薫平達に何かを残したい、他人を通して意味のある人生としたいという気持ちは理解出来る。

 野沢さんが自殺されたのを知った時驚愕した。
 妻子がいらっしゃって、個人的に仕事も順調に見えたので、それでもなお死を選ばれたのはそれなりの理由があるのだとは思う。
 ただ、もう野沢さんの作品が永遠に読めないのは本当に残念だと思う。
 彼の生み出す新しい世界にはもう行けないのだ。

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| 野沢尚 | COM(7) | TB(0) |















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