12345678910111213141516171819202122232425262728293031
-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 |
2009-10-31 (Sat)
   

 刑事の本間は怪我による休職中に亡き妻の従兄の息子である栗坂和也から頼みごとをされる。
 それは突如失踪した婚約者の関根彰子を探して欲しいという内容であった。
 休職中の苛立ちと焦燥感を紛らわせる為に引き受けた本間であったが、次第に思いもかけず深い謎をはらんだ「関根彰子の失踪」を追跡していく。
 失踪した関根彰子は実は偽者であり、新城喬子という女性が入れ替わっていたことを突き止める。何故入れ替わったのか?
本物の関根彰子はどこに行ったのか?
 新城喬子という女性が消し去った痕跡を本間は焙り出し、事実を追い求めてく。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 将来自分の人生に無人島へ行くという不測の事態が生じたら、その時宮部みゆきさんの本を一冊だけ持っていって良いというお許しがあったら、私は迷うことなく「火車」を持っていく。
 個人的に「火車」は数々の傑作を生み出された宮部みゆきさんの作品の中でも最高傑作だと思う。

 この作品を読んで強く思ったのは、
 「絶対にお金は借りるまい!!!」
 とご先祖様に誓って決意した。
 この物語にはそれだけの強い決意を抱かせる力があった。
 サラ金の恐ろしさと、その地獄から逃れきれず追い詰められた者達の哀しさが痛切に響いてくる。
 
 作品に登場する二人の女性、新城喬子と関根彰子。どちらの女性もそれぞれの事情によるサラ金に苦しめられ地獄を見る。
 正直最初は読んでいて「私は絶対こんな風にはならないなあ」と他人事のように思っていた。
 私自身サラ金利用した事がなく、これからも利用しないだろうし、親も筋金入りの借金嫌いである。
 でも関根彰子の、
 「私はただ幸せになりたかった」 
 という言葉に考えさせられるものがあった。

 2人ともただ幸せになりたかっただけなのに、そうなれると思ったからこその行動で結局不幸になってしまう。
 勿論私も幸せなりたいと願う当たり前の女性である。
 でもその思いも、そうなる為の方向を見誤ると思いもかけぬ深い落とし穴に落ちてしまう事もあるのだと思った。 幸せになりたいと思うならそれは心のどこかに留めて置きたい。

 この作品で鮮烈なのは新城喬子という女性である。
 新城喬子は親の借金のせいで、事情により自己破産手続きも取れず追われる者となる。
 幸せを掴んだと思った途端するりと逃げられてしまい、そしてそれは追われる者である限り続いていく。
 でも彼女はあきらめない、幸せになる事をひたすら追い続ける。
 そして他人になり代わり身分を乗っ取るという方法で幸福を掴もうとする。
 新城喬子の行為は許されるものではないけど、どんなつらい目に会っていも死を選ぶのではなく生きてひたすら幸せになろうとする姿は感動すら覚える。
 でも結局の所人は自分以外の何者にもなれないのである。入れ替わっても逃亡者である事に変わりはない。
 新城喬子は裁かれる身である。
 でもそれがただ幸せを追い求めた結果だというのが哀しい。

 もし本当に無人島へ行ったら「火車」を音読してみたい。


 ランキング落ちているので、ぽちっと押してやって下さい。 お願い致します。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村



 
 
| 宮部みゆき  | COM(8) | TB(0) |















管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。