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2009-10-21 (Wed)
 

 渡部はもうじき40歳を迎えようとしていた。
 愛する妻子がいるが、もう男と見られず「おやじ」としか見られない事にあせりと諦めを抱いていた。
 だがそんな日々に変化が訪れる。派遣社員としてやってきた秋葉という女性にときめきを感じる。
 「不倫する奴なんて馬鹿」だと思っていた彼だが、どんどん超えるべきではないハードルを超えて行くうちに深みにはまって行く。。。。。
 だがある時その不倫の旅路に一旦ブレーキがかかる出来事にを聞かされる。
 15年前に秋葉が16歳の時に自宅で父親の秘書が何者かによって殺され、警察は強盗殺人事件として捜査するが結局犯人は未だに捕まっていない。
 当時の担当刑事も被害者の妹も秋葉が犯人だと主張する。
 そしてもうじき事件は時効を迎えようとしていた。


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 東野圭吾さんの作品は久しぶりに読んだ。
 ケチなので本は専ら図書館で調達してくる。彼は人気作家なので本が手に入れにくく、この本も発売から何周目も遅れてやっとありつけた。

 だから私は忘れていたのだ東野圭吾さんがサービス精神豊かな作家だという事を。
 東野先生ごめんなさい(最近謝ってばっかりであるが。。。)。
 途中までは単なる中年おやじの不倫小説だと思っていた。

 人生の転換期に差し掛かった不倫をする中年男性の心理描写がとても良く書けている。
 主人公の渡部は男のズルさというか馬鹿さというかそういうものをたっぷり持っている。
 その時の勢いで愛人の秋葉に無理な約束等をしてカッコつけるし、でも家庭は壊したくないと思って一生懸命嘘をついたりアリバイ工作をする。そういった家族と愛人の間で苦悩する悲喜こもごもの姿が綴られている。 
 「ああ、男って馬鹿だなあ」(男性の方すいません)
 と、ポテトチップスのコンソメ味をバリバリ咀嚼しながら、文句のちゃちを入れながら読んでいた。

 渡部が幸福な家庭に安らぎを感じながらも、もう妻を女として見れない事に虚しさを感じる。
 家族となった妻はかつて自分が愛した女性とは違うとのたまい、恋愛がしたいと願う。
 「ああ、勝手だな」 
 と、コンソメ味をバリバリ咀嚼しながら呟いた。
 こういう話がラストまで続くのだと思っていたので、面白くないことはないけどインパクトに欠けるなあと思っていた。

 ところがラスト辺りで趣が変わる。
 単なる不倫物語ではなくもう一つの柱として時効間近の殺人事件を絡めていたが、それでも付け合せ程度と思っていた。
 時効を迎えた時に15年前の事件の真相が秋葉本人から語られる。
 その真相に驚いた。
 「こういうオチを持ってきたか」 
 と。
 その意外性に、
 「やっぱり東野さんだ」
 と本を前に平伏しそうになった。
 多分このオチは殺人事件を主軸にして書かれていたらそんなに際立たなかったのではないだろうか。
 中年おやじの不倫小説という大河の最後の流れでひょっこり顔を出したからこそ活きたのだと思う。
 この方は本当にサービス精神豊かである。読者を楽しませる驚かせる仕掛けをおこたらない、心意気を忘れない。
 だからこその人気作家なんだと改めて思う。


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| 東野圭吾 | COM(6) | TB(0) |















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