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2009-10-11 (Sun)
 

 小川洋子原作の同名小説を映画化。タイトルどおり数学の「数式」が登場するのだが、できあがった映画は“理系”よりも“文系”の印象。全編に、メランコリックで心地よい空気感が漂っている。交通事故の後遺症で、80分しか記憶が持たない博士の元に、新しい家政婦がやって来る。やがて彼女の息子も訪ねて来るようになり、博士は息子の頭の形から彼をルート(√)と呼び、3人の絆は深まっていく。
物語は、成長して数学教師になったルートが、授業で教えるシーンと並行して進んでいく。「素数」「完全数」といった数学嫌いの人には頭が痛くなる単語も、博士のシンプルな説明で、すんなり耳に入ってくるから不思議。それは大人になったルートの授業でも同じで、演じる吉岡秀隆の真摯な教師ぶりに引き込まれるのだ。博士とルートのドラマには、阪神タイガースなどのネタを効果的に使用。ドラマチックな何かを期待して観ると肩すかしを喰らうが、ほんのりと温かい後味は得られる。 Amazonより




 原作本と映画の幸福な結婚というのはあまり多くないと思う。
 でもこの作品は非常に原作本と映画の結婚の稀有な幸福例だと思う。
 原作者である小川さんも絶賛される仕上がりとなっている。

 この作品は原作本に上手く味付けを加味して原作本の良さを損なうことなく、また違う新しい世界を魅せている。
 原作においては色々な数式の説明が出てくるが、その幾つかの説明を映画においては先生となった√が生徒達に博士との思い出を語り聞かせる中で授業の一環のように説明している。
 おかげでわかり易いし、数式の説明が無理なく作品に溶け込んでいる。うまくやったもんだと感心した。 
 また原作本の中ではそれ程スポットが当たらない義理の姉が映画では結構クローズアップされている。それがほのぼのした世界観に一種のアクセントを与えている。上手く絡めたもんだと、これまた感心した。

 そしてやはり映像美が素晴らしい。
 こういう映像の力はやはり文字の世界でにはかなわないなと改めて思わせる、仕方ないけど。
 とくにDVDのパッケージにもなっている博士と家政婦の二人が散歩するシーンは自然の生の美しさというか、特にサクラのピンクが信じられない程美しい。
 おとぎ話のような感覚を味あわせてくれる。

 物語の世界というのはある種の生命を持つものだと思う。
 原作本の世界から映像の世界へと飛び立った時、物語にもう一つの生命が誕生したんだなと思わせてくれた。 原作本にはない新たに産声を上げたモチーフが作品世界の違う顔を見せ、広がらせている。 
 物語の持つ世界はでかい。
 
 良い仲人を見つけたられたなと思った。

 ちなみにこの原作本は私が大往生したら棺桶に入れて欲しい本である。
 記事はこちら→あの世へのお供

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