123456789101112131415161718192021222324252627282930
-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 |
2009-09-30 (Wed)


 私立探偵だった夫の下澤貴之が突然失踪した。
 事故なのか事件なのか何の手かがりも見つけられないまま下澤唯は夫の跡を継ぎ私立探偵となる。十数年以上様々な事件に関わりながら貴之の行方を捜す日々にやがて転機が訪れる。
 偶然貴之の姿を見かけ、その関係者を辿っている内にどうやら彼はなんらかの事件に巻き込まれ逃亡している事を知る。
 そして夫貴之には一緒に逃亡している女性がおり、そしてその女性との間に娘をもうけている事実に出会ってしまう。
 それでも貴之に会うために唯は彼を捜し求め遂に後一歩の所まで手繰り寄せる。。。。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 この「回転木馬」は「観覧車」という作品の続編である。
 前作が私立探偵となった唯とその関わった事件が主軸であったのに対して、こちらは大本命の失踪した夫貴之の関わりが主軸になっている(この「回転木馬」だけでも独立した話になっている)。
 
「私、待つわ~、いつまでも待つわ~♪」と歌ったのは『あみん』だけど、男性歌手で「僕は待つよ~♪」と歌ったのは聞いたことは個人的にない。
 やはり待つのは女性ならではなのか。

 主人公の唯は能動的に「待つ」女性ではない。夫の跡を引き継ぎ私立探偵をしながら夫を十数年以上探す。でも心の中では夫が戻ってくるのを「待つ」女性でもある。
 だから女性はこの作品を読んで染み入る部分があると思う。ただ男性は共感しにくい作品かもしれない。男の人は現実を選び取ると思うので、ここまで女性を待ち続けたりしないと思うから。

 夫が生きており、そしてある女性と逃亡している事実を掴む。すなわち夫が生きているということはなんらかの形で自分を裏切っているのだとわかっていてもそれでも唯は探し続ける。
 それは「逢いたいんです」という思いだけでを歩き続けたのである。彼女がひたすら貴之の面影を追うストーリーは胸に切なく迫ってくる。
 でも読んでいて文中の言葉にもある通り彼女は幸福ではないだろうけど、不幸というのも違う気がしてくる。
 何故ならそこまでして会いたいと思える「相手」が唯にはいるのだから。

 ただ若干ネタばれになるが唯の夫の貴之は結果的に唯を裏切った形にはなるが、愛情自体は裏切ってはいないのである。
 彼が何もかもわかった時は後戻り出来ない状況が出来上がってしまっていた。
 ある事件に巻き込まれてしまいどうしようもない運命の流れの中彼なりに懸命ではあったのだ。

 お互いに愛情を持ちながらも抗いがたい運命にもまれてしまう二人が哀しい。

 唯は貴之をあきらめたらきっと楽だっただろうなと思う。
 あきらめないというのは結構しんどいもんである。私自身「あきらめない」ことがこんなにもしんどいものとは思わなかった。
 あきらめたくない事に出会って初めてあきらめないことのつらさを感じている。
 それまでは割と簡単にあきらめていたのでわからなかった。

 だから文中のこの言葉は心に赤チンを塗ってもらった気がする。
 「もしかしたら明日、いや、今日にでも、あなたの人生に差し込むかもしれない光を、わたしは信じたいと思います」
 「あきらめない」ことに悩み続けながらも、その光を私も待ってみようかなと思う。

 唯の「待ち」続ける人生に光が差し込むラストシーンにホッとした。

ランキング落ちているので、ぽちっと押してやって下さい。 お願い致します。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村


 
| 柴田よしき | COM(4) | TB(0) |















管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。