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2009-09-02 (Wed)
 

 兄の剛志は弟直貴の大学進学への資金欲しさに強盗に入り、結果としてそこの住人を殺してしまう。
 ある日突然強盗殺人犯となった直貴はそれ以後厳しい現実と立ち向かわなければならなくなる。
 どこにいっても付いて回る「強盗殺人犯の弟」というレッテル。
 そんな彼の元へには塀の中から月1で手紙が届く。最初の内はそれが支えではあったのだが。。。


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 東野さんは時折直球もどきを投げる時がある。
 この作品に「殺人」も「謎解き」も何もない。
 ただただ強盗殺人犯の弟となった直貴のやるせない差別される物語を主軸に進んでいく。

 テーマを浮き彫りにさせる為なのかこれでもかという位に直貴は差別され続ける。
 バイトは首になり、好きな人との結婚をあきらめ、歌手という夢も奪われ、就職も差別されてしまう。
 「加害者の家族」というラベルがべったりと貼られた日から、直貴の奪われ続ける人生が始まる。
読みながら、
 「はぁ~、気の毒だ。。。。」 
 とため息が幾つも出てしまう。

 兄が犯罪に手を染めたのは自分の為だとわかっているから完全には憎めない。
 ただ「差別される」という現実が少しずつの心をすり減らしていく姿は痛々しい。
 剛志は犯罪者として塀の中である意味守られる生活だが、直貴は兄がルールを破った現実世界に一人残されそのペナルティーを課せられ続ける。
 最初は支えであったはずの月一回の兄の手紙がだんだん疎ましくなり、恨む気持ちが沸いて来るのを止められないのも現実の残酷さだなとしみじみ感じた。

 この作品が凄いのは作品の中の言葉を借りるのなら「正々堂々と差別と戦う」物語ではない所がポイントだと思う。

 直貴は勤務先の社長にこう言われる。 
「差別は当然なんだよ」
「犯罪者はその事も覚悟しなきゃならん。自分が刑務所に入れば済むという問題でじゃない。罰を受けるのは自分だけではないという認識が必要」 

 これ等の言葉を素直に肯定するにはやはり抵抗がある。 だけど心をぐっと掴まれたのも事実である。
 何の罪も無い加害者家族への差別は不当だと思う。
 でもある観点から見たらその差別は「間違っていない」のかもしれないとも思う。
 どちらの「ものさし」を採用すればいいのか悩む。。。。。

  「何かが正しいのか?何が間違っているのか?」
というのは簡単には決められない。
 ある観点から見たら正しい事でも、別の観点から見たら間違っていることもある。
 結局誰にもそれは決め付けることは出来ないのかもしれない。
 それならばとことん考え抜いて自分の「ものさし」を決めたいと思う。

 考え抜いた価値観で決めた事ならば正しいか間違っているかはわからなくても、自分にとって悪い「ものさし」ではないと思うから。


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| 東野圭吾 | COM(5) | TB(0) |















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