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2009-08-24 (Mon)
   

みかげは両親を早くに亡くし、最後の肉親である祖母を亡くした。
 内に孤独を抱えたまま、毎日みかげは一番好きな場所である台所の側で眠っていた。
 それがその時の彼女に出来る孤独を慰める方法だった。

 祖母の知り合いという田所という青年がある日突然やって来た。そしていきなり田所家での同居を提案する。
 そこには田所青年と超美貌のお母さんえり子さん(本当はお父さん)と素敵な「台所」があった。
 みかげは神様からの贈り物のようなその場所で生きる力を取り戻していく。

 他二編


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 よしもとばななさんもまた孤独を描く人である。
 よしもとさんの描く孤独はどこまでもあくまでも優しい孤独だ。

 他二編も含めこの本に収録されている作品の主人公は皆「愛する者を喪った」人達である。
 でも「死」というダークなものも彼女の優しい孤独の筆で描かれた作品世界では、日常の一コマに当たり前のように納まっている感じを与える。
 だからこそ読み手にとってとっつきやすい「死」だと思う。ここら辺りが多くの人に受け入れられた要素だと感じ入った。

 愛する者が死んでも日常の世界の景色は変わらない。
 空は変わらず青く、夕焼けは美しく、日差しは暖かい。
 でも自分の世界の色彩は変わる。 その落差が切ない。

 少しずつ流れ行く時間の中でみかげは最後の肉親を亡くしたという孤独と傷を慰めていく。
 変わり者の田所青年とえり子さんの労わりと、美味しい食べ物と、そうじをしたり、テレビを見たりの当たり前の「現実」がみかげの時を押し流していく。
 当たり前だけど愛する者が亡くなってもお腹は空くし、眠たくもなる。
 日常の健全さというものを感じた。

 でもそんなみかけも突然涙がぽろぽろこぼれ、ただ涙をしたかった自分に驚き、そして願う時がある。
 「神様、どうか生きて行けますように」 
 この言葉にはドキリとしてしまった。
 何故なら最近、私も同じ事を願ったからだ。
 「よしもとさん、なんで知ってんの?」
 と聞きたくなる位驚いた。

 なんとか前を向いて光の当たる場所を踏みしめて歩いているが、本当はその世界にぽっかりと暗い穴が空いている事を知っている。
 普段はその穴の存在はわからないが、なんでもないふとした時にその穴の存在が浮かびあがり飲み込まれそうになる。
 だから「神様、どうか生きて行けますように」と呪文のように願う。
 私は大往生がしたいのだから。

 ここに書かれている内容はごくごく普通の日常の物語である。びっくりするような出来事なんてない。
 でもばななさんが書く日常はなんでもない事なのに何かを感じさせる物語になる。
 私が「ラーメンを作ってそして二人で食べた。美味しかった」と書けば単なる感想文になるが、ばななさんが書けば「目で読むヒーリング」となる。
 癒されまくりだった。

 心のキューピーコーワみだいだった。

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| よしもとばなな | COM(7) | TB(0) |















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