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2009-08-12 (Wed)
  日本歴史上、あまりにも有名な「2.26事件」。
 首謀者である青年将校達21人が死刑に処された時、14人の未亡人が残された。
 夫の死後、彼女達はどのように生きたのか。。。。
 
 正しく「妻たちの2.26事件」の物語。


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 今回の記事は女性から見た2.26事件という事で書きまくった。長い。。。。
 
 歴史というものはたいてい表舞台にいるものにしかスポットが当たらない。
 そこにスポットライトが当たれば当たるほど影は濃くなり、その影に存在するものは省みられる事が少ない。
 「妻たちの2.26事件」というタイトルを見た時、当たり前の事だけど首謀者である青年将校達にも妻達がいて彼女達の人生もあった事を思い起こした。
 タイトルはシンプルだけどダイレクトに響く。

 青年将校達は死刑にされた事により彼らの物語はピリオドを迎える。
 だが残された妻達は物語が続いていくのである、それも「謀反人の妻」という重い十字架を背負って。
 声高に苦労を語られているわけではなくむしろどの方も淡々とした語り口調だけど、逆にそれが言い尽くせない、言葉へと変えることの出来ない深い感情を思わせる。
 妻達の生きてきた物語は私が思っていたよりも不幸なものではなかったが、やはり形は違えどどれも悲しい物語だった。
 
 2.26事件というものを調べると「甘さ」という言葉が浮かんでくる。
 それは時代の持つ熱病に浮かされた部分もあるだろうし、若さ故の(ピチピチではないけど)視野の狭さもあると思う。
 彼等が冷静に、洞察力を持って物事を見れば真実は幾つも見えていたはずだと思う。だが自分達本意に物事を捉えすぎた感は否めない。

 もうひとつ感じる甘さは彼らのほとんどが若い未亡人を残すことになった事実である。
 彼等の平均年齢が29歳なのだから妻も当然若いのは当たり前なのだけど、革命を決意する前の結婚はともかくとして革命を意識してからの結婚をされている者が少なくない。事件の数ヶ月前とか、ひどいものは半月前の結婚というものもある。
 革命というものを起こす以上万が一のことを想定すれば妻帯は避けるべきではないかと思った。昔と今では女性の地位は違うと思うけど、それでは彼らにとって女性とは妻とはなんだろうと考えさせられた。

 男と女の価値観が違うことは百も承知だけどあえて言いたい。
 国も大事だと思う。でも自分の身近にいる「愛するもの」を守ることはずっと大事ではないだろうか。
 勿論時代が軍人という職業がそれを許さなかった部分はわかるのだけど。
 でも妻達の自らが選び取ったわけではない、強いられた苦難のある人生の物語を幾つか読んでどうしてもその思いを抱かざるおえなかった。
 「愛するもの」を犠牲にしてまで守るべき国は誰の為の国なのだろうか。。。。

 青年将校達の思いは純粋ではあったと思う。でもその行為は誰も幸福にしなかった。
 
 皮肉なことに夢破れた彼等に残されたのは家族という実体のある現実である。死を前にしようやく彼らは目の前の存在と向かい合う。
 どの遺書も妻への子供への家族へのほとばしるような愛情が綴られている。
 死を前にした夫の激情の愛故か、未亡人となった多くの妻達は再婚をせず、縁薄い夫の記憶と共に長い寡婦の人生を選択されている。

 ある青年将校が妻へ残した遺書に記した言葉、
 「死ぬるまで恋女房に惚れ候」
 こんな言葉を残されたら女冥利ではあると思う。
 でも、
 「俺を忘れて再婚してくれ」 
 という言葉を残す方が優しさのような気がする私は鬼畜なのだろうか。
 彼等が残した呪縛のような愛情が縛り、そして支えだったんだろうなと思う。

 著者の澤地さんはこれが処女作とは思えない筆力である。
 言葉を的確につかみ取り、それを文字にし、史実、感情を鋭く切り取り本質へと迫る。
 この人だからこそ、これ程の力を持って影に隠れた妻達の姿に光を当てる事が出来たのだと思う。

 是非、「妻達の生きていた」物語を読んで欲しい。

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