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2009-07-18 (Sat)
   

 鈴木 一
 42歳。
 自分の半径一mのことだけを考えて生きてきたどこにでもいる平凡なサラリーマン。
 そんな彼の宝物は良妻の夕子に高校生の美しい娘、遥。今ある幸福がずっと続くと信じていた。そう、あの日までー。

 娘の遥がボクシングで将来有望な石原という高校生に暴力を受け、心を固く閉ざしてしまった。
 なにも出来ない不甲斐ない鈴木の前にケンカの達人である朴舜臣とその仲間が現れる。彼らは鈴木に石原に復讐する手助けを手伝うと申し出る。
 鈴木は遥をもう一度この世界へ取り戻す為に、石原と戦える程に強くなるトレーニングを開始する。
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 夏はなんとなく、人がいつもよりも幸福に見える。

 やはり解放感からくる自由さでそう見えるのか?
 それともギラギラの太陽のパワーの成せる錯覚か?

 お父さんの鈴木が愛する娘の為に戦う技術を身に付ける冒険譚も季節は夏である。
仕事を休みひと夏をかけてボクシングチャンピオンである石原とタイマンの勝負を挑むためのトレーニングをする。
 やはり冒険は「夏」だなと思う。
 冬では寒さで身も心も縮こまりそうだし、春ではほのぼの、秋ではしみじみという感じて背景の舞台としては若干役不足である。
 やっぱり夏なんだよなあ~と、この夏に作品を再読してしみじみ思った。

 これはタイトル通りの「がんばるお父さんのおとぎ話」である。
 ストーリーの展開とかはご都合的な所はあるがこれはそういう物語である。なんせおとぎ話である。
 だからこそ安心して話の展開に身をまかせられるというか、なんというか。

 なんかこの本を読んでいて映画の「ロッキー」を思い出した。あの映画もある意味お約束の作品だけどそれでも素直に応援し感動してしまう。
 お父さんの鈴木が強くなる為に木に登ったり、バスと競争したりする姿はなんかほっこりきてしまう。
 単なる中年のおっさんが朴舜臣とその仲間と共に生きた時間を過ごしているうちに色んなものを削ぎ落とし、だんだんと「カッコよく」なる道筋はシビレてくる。
 やっぱり人が自分の信念の為に強くなろうとするシンプルな成長物語は強いなと思う。

 この作品を読んでいて親は子供に何かあった時に、親が子供に「何かあったら守ってやる」ということを示してやることがとても大切だと思った。勿論その結果がオーライばかりではない場合もある。でもそうする事が子供に「自分を守ってくれる存在がある」ということを糧に出来る。

 ラストで鈴木が壊わされた世界をもう一度自分の手で取り戻した時に、
 「この世界は素晴らしいな。」 
 と呟くシーンはジーンと来た。
 そうなんだよなあ、世界はちゃんとそういう部分を用意してくれているんだよなあと思った。
 自分がその世界を見つけられるかはわからないけど、鈴木のようにあきらめたくないと思った。
 なんか読み終えた時はファイトが沸き、パワーが充満してくる。きっと自分も何かが出来る、掴めると。

 この夏お勧めの一品である。

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| 金城一紀 | COM(3) | TB(0) |















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