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2009-06-06 (Sat)
 
 目が覚めると利根は自分の名前以外の記憶の全てを失い、見知らぬ世界にいた。
 そんな彼女の目の前には四人の女性がいた。記憶が戻るまでそれぞれの女性の所で交代でやっかいになる事になる。
 その世界で過ごしている内に四人の女性がどうやら小説やおとぎ話に出てくる登場人物だと気付く。 
 彼女達は皆幸福ではなく、彼女達の所をひとりひとり訪れその苦悩や悲しみに触れる内に、徐々に記憶が戻ってくる。
 それは利根にとって悲しい切ない記憶だった。
 現実世界の利根はひきこもりの孤独な少女で、ここはそんな利根が現実のつらさから逃避し創り上げた異世界であった。

 この異世界から抜け出す道を模索する利根に全ての記憶が蘇る。。。。
 

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 「物語りの紡ぎ手」と思う作家さんの名前を上げろと言われたら「氷室冴子」さんは名前を挙げる作家さんの一人である。
 この作品はそんな彼女の作品の中でも最高傑作のひとつだと思う。

 若い頃は誰もが自分の持っている心の中の迷路を彷徨う。
 その彷徨う姿を小説(物語)に出てくる登場人物と絡めながら描いている世界は斬新であり魅力的である。
 その登場人物も通常の物語の設定のキャラとは違う味で描かれていて面白い。この物語にはこういう角度もあるかあ~と感じ入る。

 特に「シンデレラ迷宮」というタイトルは秀脱である。
 女性なら誰もが持っているシンデレラ症候群。そういうツボをつきまくるタイトルである。

 利根が王子様だと思っていた「あの人」は残念ながら彼女の王子様ではなかった。可愛そうな利根に同情した優しい、そして残酷な人だった。
 
 笑ってやって下さい。

「私も王子様を待っていました」 (ああ~言ったあ)
  
  でも別にそれは男性でなくても女性でも老人でも子供でも、極端な話し犬や猫でもいいから「不幸な(だと思っていた)自分」を救って入れる誰か、何かを私はずっと待っていた。救って欲しいと願っていた。

 でも待っても待っても現れず、待ちくたびれた私は結局「自分が王子様」になった。というかならざるおえなかったというか。。。

 私に与えられた物語は自分が王子様になって自分で自分を救う物語だった。
 でも結果的にはこれで良かったと思っている。何故なら自分を救ってくれる人間が現れたら私はその人に依存して生きていく事になったかもしれないからである。
 「依存」が悪いとは思わないけど、私には合っていない生き方だから。

 そして利根も自分を救ってくれる誰かを待っているのではなく、自分で迷路の出口を見つけていく。
 自分で自分を救うという新しい物語を創っていく。

 氷室冴子さんはある時から作品を書かれなくなった。
 彼女と同じコバルト文庫で活躍した山本文緒さんや唯川恵さん等が活躍されているだけに勿体無いと思った。
 実力はあったはずなのに書かれなかったのは彼女なりの決意があったとは思うけど。

 氷室さんが亡くなられたと聞いた時、残念と思うと同時にもう二度と彼女の生み出す作品に絶対的に会えない事の寂しさを感じた。

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シンデレラ迷宮
シンデレラ迷宮 著者:氷室冴子 ★★★★★ 目が覚めるといきなり変な世界に迷い込 …
2009/06/06 20:16  雑読記
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