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2009-04-15 (Wed)
   

 「惑星ナイン」
 地球から移民してきた人達「キャプテンリュウイチ」「レイディ アカリ」を中心とした人達が祖となり創り上げた惑星。
 繁栄を誇ったかに見えた「惑星ナイン」も400年の時を経て遂に「最後の子ルナ」を迎える。
 たった一人残されたルナはその絶望と孤独の中でコールドスリープによって眠りについた人々を次々と起こしていく。


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 新井素子さんには学生時代にお世話になった。
 彼女の作品を初めて読んだ時、私としては褒め言葉なんだけど、
 「こういう文章で小説書いてもいいんだなあ」 
 と思った(ホントに、ホントに褒め言葉なんだけど)。
 まさに「新井素子節」という感じの独特のノリの文章だった。

 大人になると読書傾向が変わった事もあり、新井さん自体も寡作な作家さんになったので彼女の作品を読む機会は減った。
 久々に再会したのがこの本だった。

 ある批評家の方がこの作品を「これは小説ではなく大説だ」とおっしゃっていたけど首がもげそうな位にうなずいた。
 本当に凄い作品に出会うと感想はただただシンプルになる。
 読み終えた時は「××××だから感動した!!!」とか「○○○だから号泣した!!!」とかそんな形容詞のついた感想は沸いてこず、ただ「凄い」という感想しか出て来なかった。言葉が感情に追いつかないというか、取り残されるというか。
 涙、涙で目が土偶になった。

 どんな作品も「無から有を生み出す」以上、その作品には創作の神様の愛が宿っていると思う。
 だとすればこの作品はとりわけ創作の神様が愛情を与えた作品なんだと思う。

 「最後の子」としてただ一人残されたルナ。彼女は復讐とそしてどうしても問いかけたい思いを胸に眠りについた人々を起こしていく。
 起こされた人々にしてみれば目が覚めると「私の知らない世界」でいきなり老婆のルナを見て驚く。
 自分の想像もしてなかった世界で目覚させられた人達と、ルナの物語が一つずつ繰り広げられる。
 そのどれもがしっかりとしたバックグラウンドが織り上げられており読ませてくれる。 「創造力」というものの凄さを改めて見せ付けられた。新井さんの頭の中を是非覗いてみたいという誘惑に駆られた程だ。

 ルナは問う、
 「最後の子供になるかもしれないのに、何故ママは自分を生んだのか?」 
 自分の今味わう孤独と絶望と不幸は、ママが自分を生んだからだとルナはなじる。自分の不幸を嘆く。怒る。だがその問いに誰も明確に答えられない。
 目覚めさせられた人達は事情があるが故にコールドスリープで眠りについたのであり、やがて彼女達もまた「ルナを残していく者達」となる。。。。。

 そして惑星ナインを創り上げた祖、女神と言われた「レイディ アカリ」を遂に目覚めさす。
惑星ナイン存続の為に、後半の人生、人格、あらゆるものを犠牲にし女神に奉れられた「レイディ アカリ」。
 その結果ともいうべき「最後の子ルナ」。
 始まりと、終わりの2人が惑星ナインの最後の物語を綴る。
   
 ラストでようやくルナは自ら答えの一つに気づく。それは誰かに教えられたのではなく体験を通して自分で感じとったものだ。

 もしかしたら人が生きている意味はどこかに神様の答えが用意されているのかもしれない。
 私はその答えがどこにあるかわからないが、
でも生きている意味があるから生きているのではなく、その答えは「生きている」事自体にあるのかもしれない。
 
 そう思わせてくれた物語だった。

 *ちなみに私は新井さんの「あとがき」が作品と同じ位好きだった。

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| 新井素子 | COM(0) | TB(0) |















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