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2009-02-07 (Sat)


母親思いの心優しい少年ジェルミ。
 父親を早くに亡くした彼は、美人の母親とたくさんの友達、キュートな恋人に囲まれて幸福な日々を過ごしていた。
 それが母親サンドラの再婚相手であるグレックが現れてから一変してしまう。
 精神的に脆さを抱える母親を盾に、自分(グレック)との性的関係を迫ってくる。苦悩しながらも母親の幸せの為に関係を受け入れるジェルミ。
 だか性的暴行は段々とエスカレートをしていき、耐え切れなくなった彼はグレック殺害を決意する。
 グレックが乗る車に細工をするが、その車にジェルミの愛する母親のサンドラも乗っていた。。。。

 萩尾望都さんの卓抜された表現力と構成力で、一人の少年の魂の蹂躙される様と再生が綴られた物語。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (以下ネタバレになるので要注意!!!!) 

 萩尾望都さんは有名な漫画家なのでお名前だけは知っていた。だけどタイミングのせいか作品は読んだ事がなく、この「残酷な神が支配する」が初萩尾望都だった。
 読んだ感想は、
 「萩尾望都さんは人間国宝にすべきだ!!!」 
 と思った。
 自分にその力があったらそうしている。
 自分の国語力でこの作品の素晴らしさを余すことなく伝えられないのがもどかしい。

 とにかく主人公ジェルミが気の毒。

 彼は殺人という重い十字架を背負う事になるが、それは彼のせいではない。勿論殺人を選択したのはジェルミだけど、追い詰められてしまったためにその道に追い込まれたようなものである。ごく普通の少年が虐待のせいで魂が損なわれる様が本当によく描けている。

 更に追い討ちをかけるのが、母親サンドラが全てを知っていたという事実。
 愛する母親の為にグレックとの地獄のような行為に耐えていたのに、その母親は虐待の事実を知っていて見て見ぬふりをしていたというのがこの作品を凄くさせている(実際性的虐待があった時こういうケースは少なくないらしい)。

 母親が全てを知っていたというこの一点において、ジェルミが絶えた地獄の日々の我慢も、果てはグレックを殺すことによって母親まで死なせるはめになった事も、全てが無意味なものになってしまったというのが怖い。
 ある意味ホラーよりホラーだと思った。
ジェルミはグレックを愛してはいなかったけど、母親は愛していた。その母親に裏切られた傷は、グレックから受けた傷より深い。「愛なんて割に合わない」という彼の言葉は当然だ。

 
 実はこの作品BLの要素があって、義兄になるイアン(グレックの息子)が心身でぶつかってジェルミを癒そうとする。その辺りも美味しい。。。
サンドラから受けた傷によって愛する事を躊躇するジェルミが怯えながらも、また愛する事に涙が零れた。
 BLが苦手な人もいるだろうけど、でも読み応えのある作品なので読んで欲しい。

 応援願います


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