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2010-08-07 (Sat)


ロサンゼルスに住むアンダーソン一家は5人家族。
 心優しいフレディパパとマリア様のようなシェレンママ。
 美人な男性でゲイの長男ケイ、お人形さんのように可愛らしいおしゃまな次女トレーシー。
 そして主人公の男勝りでおっせっかいが服を着て歩いているような長女のフィー。
 ある時5歳のジョナサンが訪ねて来て「パパの隠し子です」ととんでも発言をする。てんやわんやの大騒ぎになるが、そこは普通ではないアンダーソン一家。思いもかけない展開が用意されている。
 愛すべきアンダーソン一家のホームコメディ。


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 最近漫画の世界から離れているので正直渡辺先生がどれ位メジャーなのか今イチわからんが、スマートな笑いと嫌味のない適温な「深イイ話」の魅せ方が本当に本当に上手い漫画家さんだと思う。 
 ウィキペディアを見たら活躍年数の割には作品数はそう多くなく、意外にも寡作な漫画家さんだったのに若干驚いた。自分では彼女の作品をあまり読んでいないような気がしたがどうやらほとんど完食していたようである。
 これなら若干エバっていえるが「ファミリー」は彼女の作品の中でも傑作の部類だと思う。

 この作品は本当に面白かった。
 とにかく笑いと適温な「深イイ話」の絶妙なブレンド具合が「ブラボー!!!」なのである。互いのエッセンスが上手く織り合い相乗効果となって作品世界を紡いでいる。
 特に渡辺センセ笑いは頭の「かしこさ」から生み出される知恵の実のようでセンス抜群なのである。きっと頭の回転の速い人なんだろう。その笑いは単に「面白い」だけではなくてどこか「笑いは人生を豊かにするもの」に通ずる部分を感じる。勿論説教臭さは全然無いんだけどなんとなくそう感じるというか。
 渡辺先生の作品は「笑い」が作品世界のバックボーンとなっていると思う。

 そして「深イイ話」も決して島○紳○氏のような「感動の押し売り」タイプではなく本当に適温なのである。
 人の心の機微をHOTではなくCOOLなスタンスで描かれているんだけど、そのドライさが本当の優しさというか暖かさを醸し出している。
 この辺り匙加減の上手さは作り手としての力量というより、ご本人の性格のアンテナの良さからくるものではないかと思う。

 渡辺先生の作品に出てくる登場人物達は総じてキャラクターが魅力的である。
 特にアンダーソン一家はこういう家族に憧れたもんである(遠い目)。「サザエさん」とか「ちびまる子ちゃん」は全く憧れた事はない非国民だったのに
 アンダーソン一家は皆愛すべきキャラクターで個性豊かで楽しい。彼らの喜怒哀楽の物語は「家族」の絆という言葉よりも、もう少し語義をフランクにした感のある「ファミリー」という言葉の方がピッタリな感のある個々としての人間同士の繋がりを感じさせる。
 そういう部分に憧れたのではないかと思う。

 個人的にはラスト辺りに収められている「時の絆」の話が大好きである。
 捨て子のキムと育ての親のハービィー。父と娘はキムが子供から大人へと成長するに従い、二人の関係性も変化していく。人と人の絆、愛する事の切なさと怖さと愛おしさ。渡辺センセの持ち味が一番ドラマ性豊かに表現されている一級品だと思う。

 相当古い作品だけど全然古びていない。本物は常に新しいという言葉をを再認識させられた。
  
 
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