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2010-06-23 (Wed)


 主人公の一杉研志は子供の頃に妹を殺された。
 そして現在は警察官となりある幼児殺人事件を担当する事になる。加賀美という男が逮捕され彼は検挙こそされていないが前歴があり、色んな材料がクロだという印象を与えていた。
 だが元刑事である宇津木は、今回の事件は15年前の一杉の妹が殺された事件を発端とした幼児連続殺人事件で犯人は別にいると言う。
 馬鹿馬鹿しいと思いつつも一度吹き込まれた疑念は消せず渋々宇津木に協力する事になる。
 妹を殺した犯人である望月悟が刑期を終えて出所していた。彼の無実を確信する人間達によって裁判の再審請求を求める会が発足されいる事に強い憤りと不満を持っていた。
 果たして今回の事件で逮捕した加賀美は本当に真犯人なのか?
 15年前の一杉の妹が殺された事件の犯人とされた望月は無罪であったのか?
 一杉は疑念が渦巻く中真実を知る。。。

 
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 久々に面白い本を読んだと思ったのがこの「図地反転」である。
  「図地反転」とは「図と地(背景)を逆転して見ることのできる絵を、逆手に気づいたとき、逆転した絵のみでしか見えないこと。思い込みによる刷り込み。」
  との事。
 よくあるパッと見はツボだけど見方を変えると向かい合っている人の横顔という奴である。
 このタイトルは物語の内容に良くあっていて上手い。タイトルだけで読み手に「何かあるなという」期待感を与える。
 
 読んでいてどのように着地してくれるのだろうとドキドキした。加賀美という男は犯人なのか?望月は無実なのか?だだただストーリーの行き先を楽しんでいた。
 色んな材料や設定が上手く物語というベルトコンベアーの流れに運ばれて出口へ向っている気がした。
 でもレビューを読んだらあまり評価されていないのがちょっと驚いた。
 ラストや人物達の書き込みが中途半端という声が見受けられるが確かにそういう問題点はあるが、そういうのを差し引いても面白く仕上がっている作品だったから。
 個人的には堪能したんだけどなあ。

 ある方のレビューに「すっきり物語を終わらせなかったことは賛否両論だろうが、この余韻は作品に合う。声高に「冤罪」を叫ばないことが、心に沁み込み、突き刺さる」とあったが私もこの方と同意見である。 確かにラストの締め方が消化不良だと思われる意見は理解出来る。
 でも私はよくあるように明確な着地点で物語を充足させる収め方よりも、そのラストの不足感というかおっしゃる通り余韻となっていると感じる。
 冤罪の怖さを控えめなトーンで綴っているこの作品にはが似合っている気がする。
 これでラストで声高な主張があったらその方が違和感持っただろう。

 読んでいて改めて思ったのは結局警察の捜査自体「図地反転」的な危険を常に孕んでいるというのが恐ろしい。
 犯人という見方を持ったらもうそれしか見ないしその見方に合うものしか採用しない。下手したら反証証拠も握り潰してしまう。それが決してフィクションではないのは未だに無くならない冤罪が証明している。
 人間だから間違えないのは無理だろうけど間違えて冤罪を生み出すのと、無理やり押し通して冤罪を生み出すのでは罪深さが違う。
「警察」という一応は「正義の側」とされる組織が腐敗していると「悪とされている組織」より始末に終えないといと痛感した。
 
 著者の方が 
「無実の人を犯人にするだけでなく真犯人を逃してしまう。冤罪にはそんな二重の怖さがある。少しの間違いで、悪意のない人間が事件に巻き込まれる様子を描きたかった」  
 とコメントされていたが本当に二重の罪である。
 真犯人を逃した事によりその後真犯人が犯すの犯罪を防げない事すらあるだろう。
 神ではない人間が裁くシステムの深い深い闇を見た気がした。
 

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| 曽根圭介 | COM(0) | TB(0) |
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