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2010-06-05 (Sat)
 

 保険会社に務めるOL5人組み。
 30過ぎていくおくれの地味で堅実な康子。
 得意の英語で自立を目指しひたすら自分磨きをする沙織。
 25歳までには結婚したいと考えている美人で計算高いリサ。
 職場結婚の為にリストラされたみどり。
 おっとりと見えてちゃっかりと美味しいとこ取りする紀子。
 それぞれ立場も目指す方向も違うが幸福になる為に模索する姿が描かれている


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 まずタイトルがいい。
 「ジハード」と一般的には「聖戦」という意味だが、正に女たちの幸福になる為の聖なる戦いである。 
 紀子を除く4人の女性は王子様を待つシンデレラではない。とっくにそんなものからは卒業して己の持つ武器(力)で人生を切り開いていこうとする。
 ガラスの靴を脱いだ女たちは「戦士」なのだと思った。その戦いぶりがユーモアと軽快なタッチで描かれていて女性だけではなく男性も楽しめるのではないだろうか。
 書き手の篠田さんの文章が巧みで挿入されているエピソードやディティールが現実感を増し、それらが作品世界の細胞組織をしっかりと作り上げて登場人物達が本当に活き活きと感じられる。

 5人の中で主に康子とリサと沙織がメインとなり「戦いの物語」が綴られているがこの作品はまた彼女達の「成長物語」とも言える。
 彼女達は迷ったり、悩んだりしながらも人生を自分で選択して切り開いていく。
 それは必ずしも自分が望んでいた結果とは違うものをもたらす場合があるけど、それでも前向きに自分が選択した人生を懸命に生きていく姿がたくましく読んでいてファイトが沸いてくる。
 私もまた幸福を目指す「女戦士」だからだ。

 特に一番成長というか変貌したのは康子だと思う。
 康子の物語は読んでいて面白い内容が多く、恐らく最も感情移入し易いというか応援したくなるヒロインである。
 結婚をあきらめ自分の城を持とうと競売物件のマンションをヤクザと競う「シャトレーヌ」の章は面白さ抜群の出来だ。
 元々は彼女はリサや沙織等と比べるとやや覇気に欠け、ちゃんとした将来設計のビジョンは持っていかった。
 その康子にはやりがいがある大きな可能性を持つ仕事を見つけ、伴侶となるかもしれない男性と出会い、自分の行く末を定め邁進する光ある未来を感じさせるラストが用意されている。
 康子が誰よりも頼もしく雄雄しく人生を切り開いていく「女戦士」となるラストはとても爽快感を感じさせてくれた。
 
 蛇足だけどこの作品は直木賞を受賞されたのだが、面白いのが解説で田辺聖子さんが男性審査員に一番評判良かった女性は紀子と書かれてたのがウケたというかやっぱりと思った。
 紀子は他力本願タイプで一見無欲そうで無自覚な計算高女とでもいうのか。
 大竹しのぶさんとか源氏物語の夕顔みたいな男性の保護欲をくすぐる、世の女性にとって一番の敵タイプで苦手なタイプだと思う。
 こういう女性は本当に美味しいとこ取りするのである。読んでいて紀子という女性の色んな意味でイラッとする感じがよく書けている。こういう描写は女性ならではなと感じる。

 私はただいま戦の最中である。  

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