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2010-04-28 (Wed)
 ミステリー短編集

 「凍え」
 修一郎と文子の間に子供はいない。だが2人とも仲睦まじく暮らしていた。
 文子はかなりの冷え性で真夏以外は修一郎が眠りに就くまで自分の体温と手足を摩擦で暖めてあげてるのが毎日のお約束事となっていた
 ある日文子は意外な場所で修一郎を見かける。
 彼は毎週金曜日は残業の為に夜中まで会社にいるはずだったが、文子が寄ったデパートで買い物をしている姿を見かける。
 早退したのかと思い声を掛けるタイミングを見計らっていると修一郎は意外な売り場へと足を運ぶ。そこは子供服売り場であった。手馴れた感じで子供服を購入する彼に胸騒ぎを感じる。
 更に婦人服売り場で文子とは違うサイズの女性服も購入するのだが。。。。


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  夏樹静子さんの作品を一時期たくさん読んでいた。

 彼女の名前は「ジャ、ジャ、ジャ、ジャーン」のオープニングで有名な今は亡き火曜サスペンス劇場(聖母たちのララバイ好きでした)、土曜ワイド劇場等のテレビドラマの原作者としてよく知っていた。
 だが正直こういうテレビドラマの原作となる事が多い作家さんは失礼ながら安っぽいというか流行りもの(当時は)というか消費ものというかそういうイメージを持っていた。
 でも夏樹さんの作品を幾つも読んでいるうちにそのイメージは変わった。彼女の短編ミステリーにハマってかなりの作品を読んだけど、量に対する質という観点を加味すると夏樹静子さんの作品は「ミステリー短編名手作家」のベストスリーには入る作家だと思う。
 勿論夏樹さんより上手い短編ミステリーを書かれる作家さんは何人もいると思うが、とにかくあれだけたくさんの作品を書いていながらそのどれもがある一定の高水準を保っており、しかも当時の現代性をとても上手に作品に反映されている所は抜きん出ていると思う。
 いやいやと大衆文学というのもあなどれないものだと反省した。

 でも何故か夏樹さん、短編は超名手なのに長編は全然イケていないのが不思議である。普通短編が上手い人は長編も上手いと言われているがこの言葉は夏樹さんには全く当てはまらないのである。驚くくらいに。
 幾つか長編も食してみたが短編の美味しさ(うまさ)に慣れている身には「同じシェフでこの味かよ」的な失望感がぬぐえない。何故あんなにも短編と長編の作品の出来に差があるのかいつか暇な時にでも考えてみたい。

 この短編集は実の所そんなに秀作が揃っているわけではなく、今回取り上げた短編もミステリーではない。秀作ミステリーを紹介しようと思ったがどれにしたら良いが絞れなかったので違う『的』を持ってきてしまった。
 この短編は心に残った。
 夏樹さんの作品の中では色合いが一風変わっていて叙情的というか文学的というか。
 文子は子供が産めない、それ故に夫の浮気を知り相手との女性の間に子供がいるとわかっても責められない。でもなんとか自分の中で消化しようと無理に心を砕いていく様がなんとも痛々しい。
 ラストがとても切ないのだけどラスト数行がタイトルと呼応し、2人のお約束事がラストで更に活きていてお見事だと思った。こういうスパイスも存外夏樹さんはイケルのかなと思った。

 ちなみにサスペンス劇場は大好きでよく見ていました。


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