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2010-01-20 (Wed)


 雪に覆われた阿寒湖近くで美しい姿のまま自殺した少女ー時任純子。
 天才少女画家として、その美しさをして、多くの少女達の中でも一際抜きん出ていた存在感を持っていた。
 高校時代に純子に恋をし純な交際をしていた田辺俊一は20数年後に作家となっていた。彼は忘れられない女性として時任純子の影を追う。
 何故自殺したのか?本当はどんな少女だったのか?純子と関係のあった男女5人の人間に会う。
 皆それぞれが田辺と同様に純子を忘れず心の中に住まわせていた。
 田辺は純子という少女を水晶の六面体になぞらえ、立場も年齢も違う立ち位置の人間の話から彼女を見つめて行く。
 だが彼等から聞く純子の話は紛れも無く純子の話なのだが、真実の姿は中々見えてこない。。。   
 
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 私はエッセイしか読まないという作家さんが何人かいる。まあ「試食読書」とでもいうのだろうか。。。
 お亡くなりになられた鷺沢萌さんに原田宗典さん、そして渡辺淳一先生。エッセイを入り口に作家さんと出会うのだけど、エッセイが面白過ぎて小説に興味が向わないという不幸な縁である。
 普通はエッセイが面白いなら小説も面白いだろうと興味を持つものだろうが何故かエッセイだけで満足してしまうのである。試食でお腹が一杯というパターンなのかもしれない。
 その私が渡辺先生の唯一読んだ小説がこの「阿寒に果つ」である。

 何故この小説だけメイン食いしたかというと渡辺先生の自伝的小説的な色合いが有り、また早世した美貌の天才少女画家というフレーズに惹かれたからである。私は「早世した天才」好きフェチなのである。
 渡辺先生が以前何かの雑誌でモデルとなった加清純子さんに出会わなければ、自分は作家になっていなかっただろうという言葉を読んで驚いた記憶がありそれで興味を持った。
 加清純子さんという存在が無ければ渡辺淳一という作家が誕生する事がなかった、その女性をモデルにした小説と知れば、
 「こりゃごちそうになるしかないだろう」
 と思いようやっと主食をを味あわせて頂いた。

 主人公の時任純子がとても魅力的に書かれている。モデルの加清純子さんもこういう人だったらそりゃあ忘れられないだろうなと思った。
 彼女は他人に自分の面影を残すのが上手い人である。セルフプロデュースに長けているとでもいうのだろうか(それが故に追い詰められたと思うが)。
 読んでいて渡辺先生は加清純子さんが本当に好きだったんだろうなと思った。小説という公式のものだが彼女へのラブレターのような気もした。

 主人公を含めて6人の男女(5人は男性で1人は純子のお姉さん)は時任純子が自殺してから長い年月が経つのに今だに愛情を抱いている。体の関係があった男性もいるし、全くのプラトニックの関係や友愛のみの関係もある。
 面白いのが男性全員が「純子が一番愛したのは自分だ」と思っている事である。純子は自殺する前にそれぞれ付き合いの有った男性に様々な形で自分の痕跡を残していく。それを自分を一番に愛していたから「○○したんだ」と誇るように語る。
 それが私的にはウケる。男性はうぬぼれ屋だなあと思った(すんません)。
 女性だったら20年位前の恋の思い出は引き出しに終い、その在り処を心に留めておいて生きていくと思う。でも男性は時折引き出しを開いては恋の思い出を眺めたり触れたりして生きてく気がする。
 命を宿し生む女性は雄雄しいのだ。

 真面目で堅物だった渡辺先生が、軟派路線を突っ走るきっかけとなった女性をモデルにした小説なのでお試しあれ。
 
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