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2009-12-05 (Sat)
   

 寂れたローカル路線の終着駅「幌舞(ほろまい)」。その駅のただ1人の駅員で駅長の乙松はもうじき定年を迎えようとしていた。
 子供が亡くなった日も、妻が亡くなった日も駅に立ち旗を降り職務を全うする。彼が愛した路線は乙松の定年と同時期に廃線が決まっていた。
 孤独な日々をひたすら実直に生きた乙松にある奇跡が訪れる。


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 浅田次郎先生は一流りストーリーテラーだと思う。
 先生の読み手を物語の世界へ引き込む力は紛れもなく本物だと思う。

 ただ。。。。
 浅田先生は時々センチメンタルに酔いしれている。「センチメンタル」を過剰に演出して私にはそこが「・・・・」と白けてしまう。
 「酔いすぎですぜ!!!」 
 と突っ込みを入れたくなる。
 ただこの短編集はラインのギリギリ一歩手前で踏みとどまっている(幾つかはラインオーバーだけど)。
「ほろ酔い加減」 
 的な過剰さを押さえて書かれた作品は、情のある味わい深い内容に仕上げられていてじ~んと来る。

 一番印象深かったのが映画にもなった「鉄道員」。
 主人公乙松は不器用だが人生を真っ直ぐに生きてきた。妻子を亡くし、寂れた事務所兼自宅で1人住まいである。彼が人生の大半を共に歩んだ路線はもうじき廃線となる。
 この設定だけで私はごはんが食べられる。
 不器用な人間が恵まれた環境とは言えない中で懸命に生きる姿に私はめちゃくちゃ弱いのである。
 乙松という主人公の実直さが上手く話に織り込まれ、この孤独な老人を応援したくなる気持ちが自然に沸いて来る。

 泣きたい事があってもぽっぽやだからと堪え、愛する者の臨終よりも仕事としての責任感を優先する姿は正直女の私には理解が難しい部分もある。
 女性でそういう人がいたら天然記念物に指定してもいいくらい珍しいのではないか。
 それは男の矜持というかダンディズムなのか、それても日本人特有の美学か。
 映画で主人公が「俺はぽっぽやだから」と言うセリフに日本人は涙を流すらしいが、外国では笑いが起きたそうな。

 乙松が「おっちゃん、しあわせだ」と自分の人生を肯定する言葉に涙がこぼれた。
 自分が選んだ人生を誠実に生きるのは難しい。
 でもそういう風に生きられれば、何かを成し遂げなくても、何者かに成らなくても、十分勝ちの人生なんだと思わせてくれた。
 完全におとぎ話だけど気持ちよく読めた。おっちゃん良かったねとしみじみ読み終えた。

 浅田先生には飲みすぎずに良い作品を書いて欲しい

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| 浅田次郎 | COM(4) | TB(0) |
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