123456789101112131415161718192021222324252627282930
-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 |
2009-02-09 (Mon)


「斜陽」のモデル太田静子、作家太宰治を両親とした作家の太田治子。
 手術失敗の後急逝してしまった母亡き後綴られた、母と子が生きていた日々の確かな軌跡。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 根がミーハーなので太田さんの作品を読み始めたのも、彼女が「太宰の娘さん」という実に失礼な動機であった。

 だがこの作品は最早そのような形容詞など必要の無い傑作である。素直に感動した。

 「幼いあなたは私にこう聞いたの。“太宰ちゃまは、美知子さまと山崎さんとママの中でだれが一番好きだったの」

 幼い治子さんが母の静子さんに問うた質問。静子さんは治子さんの為に「ママよ」嘘をつく。そして治子さんが成人した時太宰が一番好きだったのは「○○」であったと告げる。
 私も太宰さんの作品を読んで多分彼が一番愛していたのはこの人だろうなと思っていた。2人の切なさに涙がこぼれた。

 太宰治さんは自殺し静子さんと治子さんは残された。でも生きている者達はその後のドラマを辞めるわけにはいかない。
 2人が生きていた日々。それは貧しさ故に苦しさを伴いながらも多分不幸ではなかったんだろうな思わせてくれる。勿論他人が人様の幸・不幸を論じるのは僭越過ぎるけど、でもこのお母さんがいる限り不幸ではなかったんだろうなあと思った。苦労と不幸は必ずしも=ではない。

 この作品を読み終えた時感じたのは太宰さんは死んだけど、当たり前だけど彼女達は生きていたのだなと。
 だとすれば死によって残されるのは死なれた事によって生の世界に残された者か?
それとも死ぬ事によって生きている者達の時の中に残された者か?
「心映えの記」はその問いに対し1つの形を見せてくれる。


 応援願います。クリックしてやってください。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
スポンサーサイト
| 太田治子 | COM(2) | TB(0) |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。