12345678910111213141516171819202122232425262728293031
-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 |
2010-10-13 (Wed)


 あこぎなやり方で金を稼いできた渡辺恒蔵にも何物にも変え難い大切なものがあった。
 それは美しい一人娘の美加。恒蔵は美加を溺愛していた。
 だが彼女は何者かによって誘拐され身代金として一億円を要求される。現金が用意されるが、身代金受け渡し時に警察の判断により犯人逮捕を優先した結果美加は後日死体で発見される。
 果たして美加が殺されたのは身代金要求前なのかそれとも身代金受け渡し失敗後か? 
 
 事件の犯人として死体の第一発見者である小林昭二が逮捕される。彼は恒蔵が経営するゴルフ場で働いていたが揉めて首にされていた。
 単に死体を発見し出来心で財布からお金を盗んだだけの昭二は無実を訴えるが、過酷な尋問により無理やり自白させられてしまう。。。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 
この作品はあまりの面白さに秘儀!!!「飛ばし読み」をしてしもうた。
 とにかく先が知りたくて「必要ねえなあ」という箇所は可能な限り飛ばした。そういうザルな読み方での感想である事をご了承頂きたい(何故読み返さなかったのかはおいおいわかると思います)。

 誘拐事件が起こる。でもこれで引っ張るのではなくてあくまでも火種。美加が殺された死亡推定時刻を巡る思惑を軸に、小林昭二という青年が無実だという事を読み手に提示している状態で捜査そして裁判が続いていく。
 キナ臭いなと思いつつ読んでいると、どんどん煙が立ち火が燃え上がっていく感じの流れである。
 冤罪を取り扱った作品は幾つもあるけど、様々な立ち位置にいる人間の思惑が絡み合いを冤罪が生まれる背景の描写が克明に綴られている作品は私にとっては初めてである。
 勿論フィクションなのだけど、作者の朔 立木さんは現役弁護士さんらしくやはり取調べや裁判実情の描写に凄いリアリティがあった。
 
 捜査や取調べがめちゃくちゃで、もう警察が勝手に犯人を決めて犯人を仕立てる為にやってるのか?と思う位の酷さである。また裁判所もGJな仕事しろよという呆れるお粗末な対応。「現実はこんなことあるわけないじゃん」と思いたいのだけど御殿場事件とか他にも色んな冤罪事件の詳細を垣間読んだので実際こういう事もありうると思えるのがつらい。
 文中に「冤罪が起きるのはあざなえる縄」とあるが、冤罪というのは幾人かの悪い人間によって起きるのではなく、組織への忠誠心やある種の善意やそういう様々な事柄が重なり合って結果冤罪を生み出すというのは非常に考えさせられた。
 悪意だけではなく、善なる部分も絡み方によっては冤罪の要素になるという言葉は現場で働いている人ならではの真実だなと思う。
   
 アマゾンのレビューを読んだら大絶賛の声が多く概ね賛同だけど、私は辛口の意見もある。
 終盤近くなり残りのページが少なくなるに連れて「風呂敷ちゃんと畳めるのだろうか?」とおののきつつ読んだ。今までの読書経験値からいってどう考えても余程のウルトラC的な技がないときれいに包めないぞと。
 読み終えた時「ここでお終い???」と脱力した。私にとってはを不完全燃焼させる終わり方である。そこが惜しい、惜しいのである。本当に面白い作品なだけにラストの着地点は肩すかしである。
 素人の分際で腕一本でおまんま食べている方の作品に物申すのはあれだと思うが、素材やストーリーの面白さから傑作になりうる作品だと思う。真犯人の存在も見事な演出の駒である。
 エンターテイメントとしての傑作になりうる土壌があったのに勿体無い。

 単行本なのにめずらしく作者さんのあとがきがあるが、こういう終わらせ方に作者さんのなりの意義というか意図を込めているのはわかる。現実は作品世界のように必ずしも丸く治まる着地点があるわけではないだろう。
 ただ私はやはり作品という「物語の世界」である以上、物語としてエンターテイメントな面白さというかカタルシスを欲しかったというのが読書人の心情かな。エンターテイメントとしての面白さを追及して欲しかった。目が肥えすぎの贅沢病かもしれん。
 まあこのフィクションをドキュメンタリー仕立てと読むか(作者さんはそう呼びたいようである)エンターテイメントの物語として読むかによって評価が分かれるのかもしれない。

 是非ご自身で評価して欲しい。

 
ランキング落ちているので、ぽちっと押してやって下さい。 お願い致します。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ

スポンサーサイト
| 朔 立木 | COM(0) | TB(0) |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。